都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
2019年5月に見たい展覧会【ルート・ブリュック/キスリング/ショーン・タン】
新しい時代を迎えました。今年のGWは、改元に伴う祝日のため、10連休となっています。如何お過ごしでしょうか。
年一番の行楽シーズンだけに、一部の展覧会で混雑に拍車がかかっています。都内では先日、開幕したばかりの「クリムト展」(東京都美術館)が早々に人気を集め、休日の昼間は入場待ちの列が20分程度発生しています。また会期当初こそ落ち着いていた「国宝 東寺」(東京国立博物館)も、30分ほどの待機列が生じるようになりました。またチケットの購入の待ち時間もあることから、事前にオンラインで購入しておくことをおすすめします。
このほか、「ムーミン展」(森アーツセンターギャラリー)も、GWに入り最大で50分待ちとなりました。おおむね夕方以降は列が解消する傾向があるので、20時までの夜間開館(火曜を除く)を利用するのも良いかもしれません。関西でもMIHO MUSEUMの「大徳寺龍光院 国宝 曜変天目と破草鞋」が、連日、多くの方で賑わっているそうです。
今月にスタートする展覧会は必ずしも多くありません。一部で先月と重なりますが、5月に見たい展覧会をリストアップしてみました。
展覧会
・「六本木クロッシング2019展:つないでみる」 森美術館(~5/26)
・「福沢一郎展 このどうしようもない世界を笑いとばせ」 東京国立近代美術館(~5/26)
・「女・おんな・オンナ~浮世絵にみるおんなのくらし」 渋谷区立松濤美術館(~5/26)
・「花・Flower・華―四季を彩る」 山種美術館(~6/2)
・「サンダーソンアーカイヴ ウィリアム・モリスと英国の壁紙展」 そごう美術館(~6/2)
・「information or inspiration? 左脳と右脳でたのしむ日本の美」 サントリー美術館(~6/2)
・「世紀末ウィーンのグラフィック―デザインそして生活の刷新にむけて」 目黒区美術館(~6/9)
・「大哺乳類展2―みんなの生き残り作戦」 国立科学博物館(~6/16)
・「ジョゼフ・コーネル コラージュ&モンタージュ」 DIC川村記念美術館(~6/16)
・「ムーミン展 THE ART AND THE STORY」 森アーツセンターギャラリー(~6/16)
・「ルート・ブリュック 蝶の軌跡」 東京ステーションギャラリー(~6/16)
・「江戸の街道をゆく~将軍と姫君の旅路」 江戸東京博物館(~6/16)
・「藝大コレクション展 2019(第2期)」 東京藝術大学大学美術館(5/14~6/16)
・「Meet the Collection ―アートと人と、美術館」 横浜美術館(~6/23)
・「鎌倉禅林の美 円覚寺の至宝」 三井記念美術館(~6/23)
・「トム・サックス ティーセレモニー」 東京オペラシティ アートギャラリー(~6/23)
・「ユーモアてん。/SENSE OF HUMOR」 21_21 DESIGN SIGHT(~6/30)
・「シャルル=フランソワ・ドービニー展」 東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館(~6/30)
・「印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション」 Bunkamura ザ・ミュージアム(~6/30)
・「キスリング展 エコール・ド・パリの夢」 東京都庭園美術館(~7/7)
・「棟方志功展」 府中市美術館(5/25~7/7)
・「はじめての古美術鑑賞 絵画のテーマ」 根津美術館(5/25~7/7)
・「ゆかた 浴衣 YUKATA―すずしさのデザイン、いまむかし」 泉屋博古館分館(5/28~7/7)
・「宮本隆司 いまだ見えざるところ」 東京都写真美術館(5/14~7/15)
・「ショーン・タンの世界展 どこでもないどこかへ」 ちひろ美術館・東京(5/11~7/28)
・「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」 国立新美術館(~8/5)
ギャラリー
・「イームズハウス:より良い暮らしを実現するデザイン」 ギャラリーA4(~5/30)
・「束芋 透明な歪み」 ポーラ ミュージアム アネックス(~6/2)
・「永坂 嘉光 写真展:空海 永坂嘉光の世界」 キヤノンギャラリーS(~6/3)
・「井上嗣也展 Beginnings」 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(5/14~6/26)
・「AGDA新人賞展2019 赤沼夏希・岡崎智弘・小林一毅」 クリエイションギャラリーG8(5/28~6/29)
今月は日本初、或いは久しぶりに開催される回顧展に注目したいと思います。フィンランドの代表するアーティスト、ルート・ブリュックの展覧会、東京ステーションギャラリーにて行われています。
「ルート・ブリュック 蝶の軌跡」@東京ステーションギャラリー(~6/16)
1942年にアラビア製陶所の専属アーティストとして活動したルート・ブリュックは、51年にミラノのトリエンナーレでグランプリを受賞すると、作風を変化させながら、数多くのセラミックやテキスタイルなどを制作してきました。
今回の回顧展は、ヘルシンキのエスポー近代美術館で行われた生誕100周年記念展をベースにしたもので、ルート・ブリュック財団のコレクションを中心に、約180点の作品が出品されます。日本で網羅的に紹介されるのは初めてのことでもあります。
ポーランドに生まれ、パリでは「モンパルナスのプリンス」と称された画家、キスリングの展覧会が、東京都庭園美術館にて開催されています。
「キスリング展 エコール・ド・パリの夢」@東京都庭園美術館(~7/7)
日本でもエコール・ド・パリの画家として人気のあるキスリングですが、意外にも国内では12年ぶりとなる回顧展です。国内外のコレクション約60点にて、キスリングの画業を振り返ります。アール・デコ調の建物との調和も見どころになるかもしれません。
チラシのデザインも目を引くのではないでしょうか。オーストラリアの絵本作家、ショーン・タンの日本初の大規模な個展が、ちひろ美術館・東京で開かれます。
「ショーン・タンの世界展 どこでもないどこかへ」@ちひろ美術館・東京(5/11~7/28)
オーストラリアの大学で美術と英文学を修めたショーン・タンは、2006年に刊行したグラフィック・ノベル「アライバル」で国際漫画祭の最優秀賞を獲得するなどして人気を集め、近年では舞台監督や映画の分野でも多様に活動してきました。
この個展では、最初期から新作までの絵本の原画と習作のほか、スケッチや映像、さらには立体作品を交え、作家の創造世界が一堂に紹介されます。また会期中には、館内に設置される再現アトリエに、タン本人からドローイングがリアルタイムで届けられるそうです。国内でショーン・タンの魅力に触れる、絶好の機会となるかもしれません。
GWも後半に差し掛かりました。海外を含め、遠出される方も多いかもしれませんが、私は近場の美術館などをいくつか見て回るつもりです。
それでは今月もどうぞ宜しくお願いします。
年一番の行楽シーズンだけに、一部の展覧会で混雑に拍車がかかっています。都内では先日、開幕したばかりの「クリムト展」(東京都美術館)が早々に人気を集め、休日の昼間は入場待ちの列が20分程度発生しています。また会期当初こそ落ち着いていた「国宝 東寺」(東京国立博物館)も、30分ほどの待機列が生じるようになりました。またチケットの購入の待ち時間もあることから、事前にオンラインで購入しておくことをおすすめします。
このほか、「ムーミン展」(森アーツセンターギャラリー)も、GWに入り最大で50分待ちとなりました。おおむね夕方以降は列が解消する傾向があるので、20時までの夜間開館(火曜を除く)を利用するのも良いかもしれません。関西でもMIHO MUSEUMの「大徳寺龍光院 国宝 曜変天目と破草鞋」が、連日、多くの方で賑わっているそうです。
今月にスタートする展覧会は必ずしも多くありません。一部で先月と重なりますが、5月に見たい展覧会をリストアップしてみました。
展覧会
・「六本木クロッシング2019展:つないでみる」 森美術館(~5/26)
・「福沢一郎展 このどうしようもない世界を笑いとばせ」 東京国立近代美術館(~5/26)
・「女・おんな・オンナ~浮世絵にみるおんなのくらし」 渋谷区立松濤美術館(~5/26)
・「花・Flower・華―四季を彩る」 山種美術館(~6/2)
・「サンダーソンアーカイヴ ウィリアム・モリスと英国の壁紙展」 そごう美術館(~6/2)
・「information or inspiration? 左脳と右脳でたのしむ日本の美」 サントリー美術館(~6/2)
・「世紀末ウィーンのグラフィック―デザインそして生活の刷新にむけて」 目黒区美術館(~6/9)
・「大哺乳類展2―みんなの生き残り作戦」 国立科学博物館(~6/16)
・「ジョゼフ・コーネル コラージュ&モンタージュ」 DIC川村記念美術館(~6/16)
・「ムーミン展 THE ART AND THE STORY」 森アーツセンターギャラリー(~6/16)
・「ルート・ブリュック 蝶の軌跡」 東京ステーションギャラリー(~6/16)
・「江戸の街道をゆく~将軍と姫君の旅路」 江戸東京博物館(~6/16)
・「藝大コレクション展 2019(第2期)」 東京藝術大学大学美術館(5/14~6/16)
・「Meet the Collection ―アートと人と、美術館」 横浜美術館(~6/23)
・「鎌倉禅林の美 円覚寺の至宝」 三井記念美術館(~6/23)
・「トム・サックス ティーセレモニー」 東京オペラシティ アートギャラリー(~6/23)
・「ユーモアてん。/SENSE OF HUMOR」 21_21 DESIGN SIGHT(~6/30)
・「シャルル=フランソワ・ドービニー展」 東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館(~6/30)
・「印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション」 Bunkamura ザ・ミュージアム(~6/30)
・「キスリング展 エコール・ド・パリの夢」 東京都庭園美術館(~7/7)
・「棟方志功展」 府中市美術館(5/25~7/7)
・「はじめての古美術鑑賞 絵画のテーマ」 根津美術館(5/25~7/7)
・「ゆかた 浴衣 YUKATA―すずしさのデザイン、いまむかし」 泉屋博古館分館(5/28~7/7)
・「宮本隆司 いまだ見えざるところ」 東京都写真美術館(5/14~7/15)
・「ショーン・タンの世界展 どこでもないどこかへ」 ちひろ美術館・東京(5/11~7/28)
・「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」 国立新美術館(~8/5)
ギャラリー
・「イームズハウス:より良い暮らしを実現するデザイン」 ギャラリーA4(~5/30)
・「束芋 透明な歪み」 ポーラ ミュージアム アネックス(~6/2)
・「永坂 嘉光 写真展:空海 永坂嘉光の世界」 キヤノンギャラリーS(~6/3)
・「井上嗣也展 Beginnings」 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(5/14~6/26)
・「AGDA新人賞展2019 赤沼夏希・岡崎智弘・小林一毅」 クリエイションギャラリーG8(5/28~6/29)
今月は日本初、或いは久しぶりに開催される回顧展に注目したいと思います。フィンランドの代表するアーティスト、ルート・ブリュックの展覧会、東京ステーションギャラリーにて行われています。
「ルート・ブリュック 蝶の軌跡」@東京ステーションギャラリー(~6/16)
1942年にアラビア製陶所の専属アーティストとして活動したルート・ブリュックは、51年にミラノのトリエンナーレでグランプリを受賞すると、作風を変化させながら、数多くのセラミックやテキスタイルなどを制作してきました。
フィンランドの女性陶芸作家「ルート・ブリュック 蝶の奇跡」が明日4/27から東京ステーションギャラリーで開催!フィンランドで著名ながら日本ではほとんど知られていない彼女の作品約200点が集結。日本初の大規模展示に、本日の関係者内覧会でフィンたん感動のあまりブルブルhttps://t.co/zWESzIrYs2 pic.twitter.com/llPqqEdJxy
— 駐日フィンランド大使館 (@FinEmbTokyo) 2019年4月26日
今回の回顧展は、ヘルシンキのエスポー近代美術館で行われた生誕100周年記念展をベースにしたもので、ルート・ブリュック財団のコレクションを中心に、約180点の作品が出品されます。日本で網羅的に紹介されるのは初めてのことでもあります。
ポーランドに生まれ、パリでは「モンパルナスのプリンス」と称された画家、キスリングの展覧会が、東京都庭園美術館にて開催されています。
「キスリング展 エコール・ド・パリの夢」@東京都庭園美術館(~7/7)
【ニュース】エコール・ド・パリを代表する画家、キスリングを紹介 ── 東京都庭園美術館で「キスリング展」が開催中 https://t.co/N7KsvrNssw pic.twitter.com/B8WKtPHJy1
— インターネットミュージアム (@InternetMuseum) 2019年4月22日
日本でもエコール・ド・パリの画家として人気のあるキスリングですが、意外にも国内では12年ぶりとなる回顧展です。国内外のコレクション約60点にて、キスリングの画業を振り返ります。アール・デコ調の建物との調和も見どころになるかもしれません。
チラシのデザインも目を引くのではないでしょうか。オーストラリアの絵本作家、ショーン・タンの日本初の大規模な個展が、ちひろ美術館・東京で開かれます。
「ショーン・タンの世界展 どこでもないどこかへ」@ちひろ美術館・東京(5/11~7/28)
オーストラリアの大学で美術と英文学を修めたショーン・タンは、2006年に刊行したグラフィック・ノベル「アライバル」で国際漫画祭の最優秀賞を獲得するなどして人気を集め、近年では舞台監督や映画の分野でも多様に活動してきました。
[東京館]5月から開催する「ショーン・タンの世界展」のボランティア(地域参加者)を募集中!来館者と作品を「つなぐ」楽しみをいっしょに味わってみませんか?応募条件はこちらhttps://t.co/uSn4cZBFIEショーン・タン「火曜午後の読書会」 『遠い町から来た話』(河出書房新社)より 2004年 pic.twitter.com/XMBSSZUEC6
— ちひろ美術館(東京・安曇野)【公式】 (@ChihiroMuseum) 2019年4月12日
この個展では、最初期から新作までの絵本の原画と習作のほか、スケッチや映像、さらには立体作品を交え、作家の創造世界が一堂に紹介されます。また会期中には、館内に設置される再現アトリエに、タン本人からドローイングがリアルタイムで届けられるそうです。国内でショーン・タンの魅力に触れる、絶好の機会となるかもしれません。
GWも後半に差し掛かりました。海外を含め、遠出される方も多いかもしれませんが、私は近場の美術館などをいくつか見て回るつもりです。
それでは今月もどうぞ宜しくお願いします。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )