『佐藤卓TSDO展〈 in LIFE 〉』 ギンザ・グラフィック・ギャラリー

ギンザ・グラフィック・ギャラリー
『佐藤卓TSDO展〈 in LIFE 〉』
2022/5/16~6/30



ギンザ・グラフィック・ギャラリーで開催中の『佐藤卓TSDO展〈 in LIFE 〉』を見てきました。

1955年に生まれたデザイナーの佐藤卓は、1984年にデザイン事務所(現在のTSDO)を設立すると、ロッテ キシリトールガムや明治おいしい牛乳のパッケージデザイン、さらには金沢21世紀美術館のシンボルマークを手がけ、21_21 DESIGN SIGHTの館長を務めるなど幅広く活動してきました。



その佐藤とデザイン会社TSDOとしての仕事を紹介するのが『佐藤卓TSDO展〈 in LIFE 〉』で、会場には佐藤による作品のほか、企業パッケージや広告ビジュアルなどが紹介されていました。



まず1階に展示されたのが、佐藤が自発的に制作してきた作品で、いずれも2004年のgggでの展覧会以降に手がけられたものでした。そのうち目立っていたのが「ひらがな立体」で、文字通りひらがなのかたちを立体化した作品でした。



これは3Dデータに基づき、紙を断裁しながら貼り付けて立体にした「紙の化石」と同じマシンを用いて制作したもので、触ることは叶わないものの、手触り感とでも呼べるような温もりが感じられました。



「MILK」は2021年に発表された作品の一部で、牛乳パッケージのデザインをもとに、立体化して壁一面へと広げたオブジェでした。



一方で地下にて紹介されていたのが、TSDOとしての仕事である企業などのパッケージデザインでした。ここには初期に関わったニッカピュアモルトにはじまり、生茶、エリエール、エスビー食品スパイス&ハーブのパッケージから書籍なども並んでいて、それこそ日々の食卓にて利用されるような極めて身近な商品も少なくありませんでした。



またいずれのパッケージにもデザインに際してのコンセプトなどが記されていて、どのようなアイデアからデザインが生み出されたのかについて知ることも出来ました。



そこでは重要なのは、生活にデザインを根ざしていこうとする試みで、単に洗練でかつモダンで美しいことよりも、例えば商品の情報や魅力をどのように伝えるのかや、いかに手にとってもらうかなどに力点が置かれていることでした。またデザインの行く末として、使用後の再利用を踏まえたパッケージデザインがあるのも興味深いかもしれません。


佐藤は自著『塑する思考』おいて、デザインを特別なものではなく、「日常ありとあらゆるところに隠れている」と述べているそうですが、まさに日々の暮らしの中に根ざすようにデザインが潜んでいることを目の当たりに出来ました。



6月30日まで開催されています。

『佐藤卓TSDO展〈 in LIFE 〉』 ギンザ・グラフィック・ギャラリー@ggg_gallery
会期:2022年5月16日(月)~6月30日(木)
休廊:日曜・祝日。
時間:11:00~19:00
料金:無料
住所:中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル1F
交通:東京メトロ銀座線・日比谷線・丸ノ内線銀座駅から徒歩5分。JR線有楽町駅、新橋駅から徒歩10分。
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