◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

箸をちゃんと使えない日本人。

2007-01-21 14:14:05 | 言葉についてあれこれ
               おいらは手づかみ
 正しい助詞を使えない日本人が増え、訳の分からないことを言っているのがよく耳に入ってきますが、箸をちゃんと使えない人も本当に多いですね。どちらも日本人ならできて当たり前なのですが・・・。せめて、テレビ番組でおいしい物を食べる人は、せっかくのごちそうが箸から落ちそうで危なっかしくて見苦しいので、お願いですから、箸の訓練をしてください・・・って、だれに言っているのか分かりませんが。それに、幾ら正しい持ち方を教えても直せない人が多く、不思議に思います。
 同じように、言葉を間違えて覚えていて、正しい言葉を教えても直らない人もいます。私の小学校4年生のときの担任の先生がそうでした。「マヨネーズだ」と何度言っても、先生は「マネヨーズ」としか言えないのです。ひょっとして、その先生は「マネヨーズ」が気に入っていて直したくなかったのかも。
 人の思い込み、あるいは刷り込みというのは恐ろしいものです。あるとき、話し手が言っているそのまま、全く修正しないでありのままテープ起こしをするという仕事で、ほかの人が作業したものを見る機会があり、とても驚きました。話し手は関西出身の有名人で、文章を見ると「ほんまにおおきに」と書いてあるのですが、テープから聞こえてくるのは「本当にありがとぉ」で、関西弁っぽいアクセントではあるものの、言葉そのものは標準語だったのです。
 そのような間違いはそこだけではなく、始めから終わりまでずっと、標準語なのに関西弁で起こしてあったのです。一体なぜ、この人には、「本当にありがとぉ」が「ほんまにおおきに」と聞こえたのでしょうか。関西出身だから関西弁でしゃべっている、関西弁なら「ほんまにおおきに」だと思い込んだためにそう聞こえた、そんなばかなーと言いたいところですが、そうとしか考えられません。
 そういえば、英会話教室のCMで、「ボンジュール、マドモアゼル、助けてください、抜けなくなりました、助けてください」と言われた女性が英会話教室に駆け込み、友人が「あれ英語じゃなかったよ」と言うのですが、笑えますねぇ。外国人だから外国語だと思っていれば、日本語も外国語のように聞こえる、そういうことは確かにあると思います。それに、フランス語でも英語だと思ってしまうということもありそうです。日本人は、道で外国人が日本語で話しかけてきたら、「だめ、分からない、ノー、ノー」とか言いそうですね。
 とにかく、間違えて覚えてしまっているものを後から修正するのはやはり大変なことなので、若者言葉は文化だなどと言っていないで、若い人にこそ、ふだんから正しい日本語を話してもらいたいと思うのですが、私の願いはなかなか届きそうにありません。変な日本語を変だと思っていない人のほうが多いので、間違っていると言われてもピンと来ないのでしょうか。ふだんはちゃんと会話できていて、別に何も困らないのだからそれでいいと思っているのでしょうか。あなたはどうですか?
 化学物質過敏症の人は化学物質の怖さを見せてくれます。アレルギーの人はそこにアレルゲンがあることを教えてくれます。たとえ気づいていなくても、いろいろなところで弊害がすでに出てきているのですから、いつまでも鈍感なままでいていいわけがありません。さて、どうしましょうかね。
コメント
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