◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

1文字をおろそかにする者は1文字に泣く。

2007-01-11 14:05:06 | 気になる言葉、具体例
 「ちゃんとしゃべれ!」の中で医師のカタカナ語ということに少し触れているのですが、医師に限らず、医学や化学などの関係のカタカナ語は、大ざっぱにいってドイツ語読みと英語読みとに分かれます。私の印象でいうと、若い人は英語読み、年配の人はドイツ語読みが多いという感じがします。
 このごろ、「カロチン」が「カロテン」になったことにお気づきのかたも多いと思いますが、政府の「食品標準成分表」の表記が「カロテン」になったことを受けて放送業界も「カロテン」としているようです。カロチン(karotin)はドイツ語、カロテン(Carotene)は英語です。
 カロテンはカロテノイド(Carotenoid)の一種ですが、この「カロテノイド」によく似た言葉で「カルチノイド(Carcinoid)」というのがあります。しかし、意味は似ても似つかぬもの、消化管に多い腫瘍、ポリープの一種のこと、ということで、中間の「カロチノイド」という表記もちらほら見ますが、これは誤解を招きます。
 1文字の扱い方がとても大切で、本当に重要なことなのです。「ケージ」と「ゲージ」は違います。「バック」と「バッグ」は違います。決して1文字をおろそかにしてはいけないのです。多くの人はあまりこういうことを意識しませんが、1文字違えば意味が違うということにぜひ気づいてほしいと思います。
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