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◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「もうける」って悪い意味?

2007-01-26 12:42:08 | 気になる言葉、具体例
                 区別してる?
 日本人が「~してくださる」とあまり言わなくなったのは悲しいことですが、善因善果、悪因悪果ということをきちんと区別せず、何もかもごっちゃにして表現する人が多いのは、悲しいというより、非常に危険です。例えば、去年の、あの有名人のセリフ、「お金をもうけるってそんなに悪いことですか」、これを聞いたとき、あなたはどう思いましたか。私は、お金をもうけること自体は決して悪いことではないけれども、その手段ともうけたお金の使い方には気をつけなければいけないだろうと思いました。
 そもそも、「もうける」とは、利益を得る、子どもをつくる、思いがけず手に入って得になる、こういう意味であって、悪い意味は含まないのです。それなのに、「もうける」という言葉のイメージを悪くさせる人たちがこれまで大勢いたということでしょうか、「もうける」自体に拒否反応を示す人もいます。「金」と「お金」も随分イメージが違ってきますね。でも、世の中には、頑張って、知恵と努力でいっぱいもうけて、もうけたお金を世のため人のために使うという人もいるのですから、もうけている人をみんな十把一からげにするのは失礼なことではないでしょうか。
 言葉の厳密な区別、これは非常に大切なことです。世の中に氾濫する情報の中から正しい情報を選び出すというとき、ふだんから言葉をあいまいに扱っていると間違った先入観を持ってしまい、正しい判断ができなくなります。善なるものまでも悪いものであるかのように誤解させるような表現を許してはいけないのです。厳密に言葉を区別し、善悪の因果ということを考えないと、何でもかんでも同じに見えてしまい、選ぶべきものを選び出すことができず、選べるチャンスを逃してしまいます。
 また、罪の意識が薄くなるような言い換えも絶対に許してはいけないのです。そんなことを許して言葉をいいかげんに扱うから道徳心が失われていくのです。「ちゃんとしゃべれ!」では「ゲットする」を取り上げましたが、そういう例はまだまだたくさんあります。その辺りをあいまいにしてしまうと、善悪の区別までもがあいまいになるのです。もうそろそろ、そのことに日本人すべてが気づかなければいけないと思うのですが、いかがでしょうか。
 そういえば、オーストリアのカタカナ表記がオーストリーに変わるそうで、理由は、どうしてもオーストラリアと間違えられるから。分かるー、分かります、その気持ち、オーストリア国民の気持ちが分かります。若いハムスターは見た目が似ていて区別しにくいのですが、何とか区別しようと一生懸命世話して観察しているとだんだん区別できるようになってきます。
コメント
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