◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「ボランティア」の本来の意味。

2007-03-29 10:43:07 | 気になる言葉、具体例
              ハムセラピーの報酬
 「volunteer」の意味は、「有志、志願者、義勇兵、志願兵、自発的、自発的に申し出る、自ら進んでする、志願する、志願兵になる」ですが、カタカナ語辞典には「自発的に無報酬で社会活動をすること」とあります。「volunteer」 と「ボランティア」とでは意味が少し違うようですが、「無報酬で」という概念はどこから出てきたのでしょうか。世の中には、幾ら報酬をもらってもやりたくないことがたくさんありますよね、やはり命が大事ですから。
 災害現場に閉じ込められた人に対して、そこへ実際に医師が突入して医療行為をすることを「CSM(Confined Space Medicine、Confine は閉じ込めるという意味)」、日本語では「瓦礫の下の医療」といって、福知山線の電車脱線事故現場で日本における初のCSMが行われたのだそうです。例えば、災害現場や戦地で医療活動をする医師や看護師は、報酬をもらってやっていても、危険なところへ自ら行けばりっぱなボランティアです。自ら行くのですから、自己決定して自己責任で活動するわけです。
 私も、つい最近まで「ボランティア」の本来の意味をちゃんと考えたことなどありませんでしたから、給料をもらってやっているのにボランティアというのが何となくしっくりこなかったのですが、専門家によると、カタカナ語の「ボランティア」は、「自己責任」という概念が薄れ、代わりに「無報酬」という概念が入り込んだというわけです。
 そういえば、だいぶ前に放送されたフジテレビのドラマ「救命病棟24時」第3シリーズでもこの辺に少し触れていましたね。医大生の河野和也が、兄が研修医として勤務する病院で、成り行きでボランティアのリーダーとして活動することになり、さまざまな問題に直面していきました。あれを見てボランティアについて考えさせられたことを思い出しましたが、volunteer の精神ということがヒントになるでしょうか。
コメント
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