◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「ペンギンがビーチ!」って?

2012-06-06 19:48:44 | 言葉についてあれこれ
                                   まだ寒いよ

 「ペンギンがビーチ!」という文を見てどういうことを想像しますか。ペンギンの形をしたビーチ、ペンギンをデザインした構造物で人工的に造られたビーチ、これなんか、あったら面白いかも(⌒・⌒)。あるいは、ペンギンでびっしり埋め尽くされているビーチ、ペンギンをかきわけながら・・・う~ん、泳げないじゃん(~_~;)。
 「ペンギンがビーチに」と言っているとき、テロップは「ペンギンがビーチ!」でした。それだけですよ( ̄‥ ̄)。ペンギンが来るようになり、ペンギンと遊べるビーチとして有名になったビーチの話です。なぜ、せめて「ペンギンがビーチに!」と書かないのだろうか。もっと言えば「ビーチにペンギン!」ですけどね。
 似たような例でこういうのもあります。多分、書いたのは別の人だと思うのですが・・・どうかなぁ。話し手が「僕はイタズラを文化にしたいんだ」と言っているとき、テロップは「イタズラを文化!」でした。何のこっちゃ( ̄д ̄)!
 「モーニングバード」で高速ツアーバスの事故に関するニュースを見ていたとき、「原発事故でインバウンド業界が苦境」というテロップを見たのですが、「苦境」は、追い詰められ、どうしたらいいか分からない、苦しい立場という意味で、「苦境に立つ」と言うのが普通です。テロップだから「立つ」は省略するとしても、「原発事故でインバウンド業界が苦境に」です。なぜ「に」まで省略するんだ( ̄~ ̄)?
 ちなみに、インバウンド業界というのは、中国や台湾からの観光客が「観光」と「爆買い」をする、そういう1週間ほどの行程のバスツアーで稼ぐ業界のことなのだそうです。原発事故で観光客が減り、インバウンド(移動は主に昼間)で稼げないから深夜バスに流れる、過剰にコストを削る、そういった事情があるのだとか。
 放送業界には、なぜこうも日本語の力がかなり不足していると思われる人が多く働いているのか。いちいち細かくチェックすることはできないとしても、「ペンギンがビーチ!」「イタズラを文化!」「原発事故でインバウンド業界が苦境」なんて、見た瞬間、「に」が足りないと感じますよ・・・感じますよね?
 ところで、これは余談ですが、今、テレビで見かける、ある高速ツアーバスのCMが気持ち悪くてしかたありません。金沢を出発したバスがあんな悲惨な事故を起こし、特に石川県と富山県の人たちは肝をつぶしたわけですが、そのCMときたら、まるで画面いっぱいに血が飛び散るような、何とも恐ろしいもので、最初に見たときは本当にギョッとしました。やはり何度見ても非常に気持ち悪く、こんなものを制作して流している人たちの神経を疑います(ーー゛)。
コメント
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