◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「食べ切れなく余りがち」って?

2012-11-07 18:28:17 | 気になる言葉、具体例
                              ぴくりとも動かず爆睡

 ローカルのテレビは都会より数か月遅れて放送される番組もたくさんありますから、例えば、暑い時季に「体が温まるチャウダー」とか、そんなのだれが食べるっo(`д´)oなんてことも。「食べ切れなく余りがち」は「はるみキッチン」のナレーションとテロップですが、高菜が余ったら、細かく刻んでさっと炒めて保存しておくのだそうです。それはいいとして、「食べ切れなく余りがち」って何ですか? そんなこと言うのはアナウンサーだけだと思っていましたが・・・。
 「前が見えなく衝突」だの「石橋をたたいても渡らなく」だの、「渡らなく」と言ったのは50代の一般人ですからね、放送業界だけではなく、一般の人たちにもだいぶ広まってきました。「○○の勉強はしていなく」という記述も見ましたが、書いたのは高校生です。中途で切れた「~なく」は実に気持ち悪いものですが、若い人は「積めなく」「壊れなく」と平気で書きます。
 そうなんですよ、聞くというより、見ることが多かったのです。そんなばかな言い方をするのはアナウンサーぐらいでした。そもそも、報道番組で硬めにしゃべるアナウンサーだからこその言い方でしょ。敬語分類の誤解からか、「~ておらず」と言わなくなり、さりとて「~なくて」とは言えない、それでどうしたかというと、単純に「て」を省いたのです。アナウンサー全員ではありませんが、一部であってもその影響は大きく、すぐに一般人の文章にも出てきて、とうとう話し言葉にまで出てきました。
 「とくダネ!」のリポーターが「やせてもいなく太ってもいなく」と言うのを聞いたときは、あまりにもさらっと「可もなく不可もなく」みたいに言ったので、も~だめだ! と思いました <( ̄д ̄)>。これを書いている最中にも、「ウェークアップ!ぷらす」の若いアナウンサーが「ぴくりとも動かなく」と言いましたよ。
 「ある/ない」の「ない」は「なく」でもいいのですが、「いない」「見えない」「渡らない」は「いなくて」「見えなくて」「渡らなくて」です。ですから、「支障なく」「偏りなく」など、よく聞く名詞に「ある/ない」の「なく」が続く例はいいのですが、「途切れなく」「ふくれなく」など、「途切れる」「ふくれる」に比べて「途切れ」「ふくれ」はなじみがないという場合、変な「~なく」のせいでどうしても「途切れなくて」「ふくれなくて」の「て」が足りないように感じてしっくり来ません。
 「前が見えなく衝突」は、前が見えなかった、その結果、衝突したということですから、「前が見えなくて衝突」もしくは「前が見えず、衝突」です。そして、「○○の勉強はしていなくて」、「積めず」「壊れず」、「やせても太ってもいなくて」もしくは「やせても太ってもおらず」、「ぴくりとも動かなくて」もしくは「ぴくりとも動かず」、あるいは「ぴくりとも動かなくなり」です。
 え? 一つ飛ばしたぞ、って? 「石橋をたたいても渡らなく」は、う~ん、困りましたねぇ、この後どういうことを言うかによって違ってきますから、それは次回ということで・・・ほんならぁ(⌒・⌒)/ え? PCはどうしたって? まだ何とも・・・一体どうすればいいんだか・・・新しいのを買わなければいけないのですが、何をどうやって買ったらいいのか分からない(~_~;)ヾ。
コメント
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