◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「お客さんをどうやって振り向いてもらうか」って?

2012-11-25 09:07:04 | 気になる言葉、具体例
                                  こっち向いて

 「そこに来たお客さんをどうやってうちに振り向いてもらうか」と言ったのは一般の人ですが、めちゃくちゃですね。書いた後に見直しをした文章ならこんなことはないのかもしれませんが、話し言葉で助詞(この場合は「お客さんを」の「を」)の後に続ける言い方がきちんと合っている人は、テレビではあまり見掛けません。
 羽鳥慎一をはじめとする( ̄д ̄)ダラケッなアナウンサーやタレントが「○が~ていただく」「○が~てもらう」という誤った言い方を世の中に広めた結果、「~ていただく」「~てもらう」の意味がはっきりしなくなりました。日本人の助詞がおかしくなったのはもっと前からですが、こういうことも加わって「そこに来たお客さんをどうやってうちに振り向いてもらうか」なんて言ってしまうのでしょう。
 羽鳥慎一は、「お二人がお越しいただきました」「妹さんが来ていただいて」という言い方を常にしていますから、言い間違いではなく、それが誤りだということを認識していないのです。「~ていただく」なら「○に~ていただく」なのに、一般の人までが「○が~ていただく」と言うようになりましたから、アナウンサーはもっとちゃんと日本語を勉強してくれないと本当に困ります。
 羽鳥慎一は「お父さんがどんなことをお話ししているかというと」「○さんにお会いしたことはあるんですか」「ご紹介していただきたいと思います」という言い方もしますが、敬語というものを全く分かっていません。NHKのアナウンサーも早くからこういう言い方をしていますから、ひょっとして、このパターンはNHKが原因かもしれません。要するに、日本テレビにもNHKにも、こういう誤りに気づいて正すことのできる先輩アナウンサーが随分前からいなかったということでしょう。
 「~ていただく」「~てもらう」の主体はそう言っている自分自身ですから、「~」をするのが○さんなら、「○が」でも「○を」でもなく「○に」です。何とかして「お客さんに」振り向いてもらう、「お客さんに」振り向いてほしい、という積極的な気持ちです。多くの人の言い方である「お客さんが振り向いてもらう」は日本語として成立していないばかりか、お客さん任せの消極的な言い方にしかなりません。
 「そこに来たお客さんがどうしたらうちに振り向いてくれるか」なら、やや消極的ですが、日本語としては正しい言い方になります。しかし、そもそも、何とかしてお客さんに振り向いてもらう、それをストレートに表現すれば「そこに来たお客さんをどうやってうちに振り向かせるか」です。
 「そこに来たお客さんを」と言ったのですから「どうやってうちに振り向かせるか」と続ければいいだけなのに、「振り向かせる」なんて言ってはいけないとでも思っているのでしょうか、急に勢いをなくして「振り向いてもらうか」なんて言うから前後がつながらなくなるのですよ。
 今度の選挙に立候補することを表明した若い人は、新人なのにもう政治家口調で「決意をさせていただきました」なんて言うし・・・(`~´)。
コメント
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