ことごとくむしる
「職務に関する事象はことごとくが秘密扱いされ(中略)捜査対象のことごとくがこのような性格の組織ですから」(6/4 16:20配信 THE PAGE)という文を読んで、どこがどうだと思いますか? 「ことごとく」と「ほとんど」は、もちろん意味が違いますがそこはちょっと置いておいて、“文法上の性質”が違うのですが、これを書いた人は同じように使える言葉だと思っているようです。
「ほとんど」の場合、「ほとんど秘密扱いされ」なら副詞、「ほとんどが秘密扱いされ」なら名詞で、「職務に関する事象はほとんどが秘密扱いされ(中略)捜査対象のほとんどがこのような性格の組織ですから」と書けます。一方、「ことごとく」は副詞で、「職務に関する事象はことごとく秘密扱いされ(中略)捜査対象はことごとくこのような性格の組織ですから」としか書けません。
「歴史秘話ヒストリア」のナレーションで「とった決断は、戦場からの大脱走」と言った井上あさひアナ(NHK)。敦賀の金ヶ崎で、朝倉と浅井の挟み撃ちという状況から素早く逃げた、あの信長が、戦わず、逃げる決断をした、そういう話です。「決断」は「とる」ではなく「下す」ですから、「下した決断は、戦場からの大脱走」です。
「ほかの女の子と飲みに行ったり、果てには旅行に行ったりして」と「その豹変にびっくりしました」は一般人が書いたものですが、普通は「挙げ句の果てには」「その豹変ぶりに」です。そうそう、「豹変」で思い出しましたが、見知らぬ男にガソリンをかけられ、火を放たれて顔に大火傷を負った男児のひどい状態を表現したナレーションとテロップが「彼の顔は豹変した」だったことがあります。あ然、呆然ですよ。
「彼女の結婚式の話題を持ちかけられ」は一般人の文章にあったのですが、これはどう考えても「持ち出され」でないといけない流れでした。「初ヒンバ族に私の胸は高まった」も一般人の文章で見たのですが、「初めて見たヒンバ族に私の胸は高鳴った」でしょ。惜しいですね、「高まった」ではなく「高鳴った」です。
「他のお客様とは比べようにならないです」は一般の人が書いたもの。「とくダネ!」にゲストとして出ていた人も「比べようになんないくらい」と言ったのですが、顔が映っていなかったので誰だか分かりません。何とも奇妙な言い方ですが、まさか、方言とか・・・じゃないですよね。「ならない」と続けるなら「比べ物にならない」が決まった言い方で、ほかは「比ぶべくもない」「比べようもない」です。
「通り一面っぽさを感じること多々である」(8/18 8:11配信 Wedge)は、いわゆる“ライター”が書いた文章にあったのですが、「通り一遍」をちょっと間違えて覚えているようです。以前、ドラマで「とおりいっぺんとうのことしか教えてもらえなくてね」というセリフを聞いたことがありますが、「通り一遍」と「一辺倒」のミックス<( ̄д ̄)>。
「謝ったからミスを認めたことにはなりません」(8/8 7:10配信 @DIME編集部)はむずむずしますね。「謝ったからといって、ミスを認めたことにはなりません」と書かないと! “ライター”が書いたものでも、こういうちょっとおかしい例が非常に多く、変な日本語アレルギーの私はなかなかすんなり読めません┐( ̄д ̄)г。
「職務に関する事象はことごとくが秘密扱いされ(中略)捜査対象のことごとくがこのような性格の組織ですから」(6/4 16:20配信 THE PAGE)という文を読んで、どこがどうだと思いますか? 「ことごとく」と「ほとんど」は、もちろん意味が違いますがそこはちょっと置いておいて、“文法上の性質”が違うのですが、これを書いた人は同じように使える言葉だと思っているようです。
「ほとんど」の場合、「ほとんど秘密扱いされ」なら副詞、「ほとんどが秘密扱いされ」なら名詞で、「職務に関する事象はほとんどが秘密扱いされ(中略)捜査対象のほとんどがこのような性格の組織ですから」と書けます。一方、「ことごとく」は副詞で、「職務に関する事象はことごとく秘密扱いされ(中略)捜査対象はことごとくこのような性格の組織ですから」としか書けません。
「歴史秘話ヒストリア」のナレーションで「とった決断は、戦場からの大脱走」と言った井上あさひアナ(NHK)。敦賀の金ヶ崎で、朝倉と浅井の挟み撃ちという状況から素早く逃げた、あの信長が、戦わず、逃げる決断をした、そういう話です。「決断」は「とる」ではなく「下す」ですから、「下した決断は、戦場からの大脱走」です。
「ほかの女の子と飲みに行ったり、果てには旅行に行ったりして」と「その豹変にびっくりしました」は一般人が書いたものですが、普通は「挙げ句の果てには」「その豹変ぶりに」です。そうそう、「豹変」で思い出しましたが、見知らぬ男にガソリンをかけられ、火を放たれて顔に大火傷を負った男児のひどい状態を表現したナレーションとテロップが「彼の顔は豹変した」だったことがあります。あ然、呆然ですよ。
「彼女の結婚式の話題を持ちかけられ」は一般人の文章にあったのですが、これはどう考えても「持ち出され」でないといけない流れでした。「初ヒンバ族に私の胸は高まった」も一般人の文章で見たのですが、「初めて見たヒンバ族に私の胸は高鳴った」でしょ。惜しいですね、「高まった」ではなく「高鳴った」です。
「他のお客様とは比べようにならないです」は一般の人が書いたもの。「とくダネ!」にゲストとして出ていた人も「比べようになんないくらい」と言ったのですが、顔が映っていなかったので誰だか分かりません。何とも奇妙な言い方ですが、まさか、方言とか・・・じゃないですよね。「ならない」と続けるなら「比べ物にならない」が決まった言い方で、ほかは「比ぶべくもない」「比べようもない」です。
「通り一面っぽさを感じること多々である」(8/18 8:11配信 Wedge)は、いわゆる“ライター”が書いた文章にあったのですが、「通り一遍」をちょっと間違えて覚えているようです。以前、ドラマで「とおりいっぺんとうのことしか教えてもらえなくてね」というセリフを聞いたことがありますが、「通り一遍」と「一辺倒」のミックス<( ̄д ̄)>。
「謝ったからミスを認めたことにはなりません」(8/8 7:10配信 @DIME編集部)はむずむずしますね。「謝ったからといって、ミスを認めたことにはなりません」と書かないと! “ライター”が書いたものでも、こういうちょっとおかしい例が非常に多く、変な日本語アレルギーの私はなかなかすんなり読めません┐( ̄д ̄)г。