◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「起こりうるかもしれない」って?

2012-04-25 20:06:12 | 気になる言葉、具体例
                                  かわいい盛り

 「いちばん最初」「第1回目」「断トツ1位」「古来から」「従来から」など、重複花盛りのこのごろですが、一口に重複と言っても、( ̄д ̄)ダラケッ! と言うしかないものからちょっと面白いものまでいろいろあります。また、聞いただけでは重複だとあまり感じなくても、文字で見るとはっきりします。
 「ほぼ同じくらいの大きさ」は、「ほぼ同じ大きさ」か「同じくらいの大きさ」です。「約10年ぐらい前」といった言い方はしょっちゅう聞きますね。「ステンレス製でできており」は、「ステンレス製」がすでに「ステンレスでできている」ということですから、「できており」が余計です。「現在の今上(きんじょう)天皇」は「今上天皇」を知らなければ分からないでしょうね、「今上天皇」は現在の天皇の呼び方です。
 「パワフルな感じで力強さがあったので」は、「よりベター」みたいですが、「パワフルな感じだったので」もしくは「力強さがあったので」のどちらかです。だって、「パワフル」=「力強い」ですからね。「力がどんどんパワーアップする」と言った、いわゆる文化人もいますが、「力が」が余計です。
 「課税がかかる」と言ったのはタレントですが、「課税」とは税金を割り当てること、つまり、税金がかかるということですから、さらに「かかる」はおかしいですね、普通は「課税される」と言うものです。「いまだにまだこれやってるの?」と言った女優もいますが、役者でも言葉がちゃんとしていない人は多いですね。
 「過保護過ぎ」は一般人の文章にあったものですが、「過保護」に「過ぎ」はくどい、くどいけれど、そう言いたい気持ちは分かります。20年ほど前にいた職場での話です。隣の席の女性が「○さん(私)、窓、開けていいですか、暑いから。でも、○さんは半袖だから、開けたら寒いかな~?」と、いかにも暑そうな、赤い顔で言うので、こう言ってやりました、「まず、その冬物みたいなごっついカーディガン脱いだら?」。親がさっさと脱がせたり着せたりしていたらこうなるそうですよ。
 ナレーションでも重複は実によくあります。「なぜ変わったネーミングを付けているのか」は、「ネーミング」=「名前を付けること」ですから「なぜ変わった名前を付けているのか」です。大学で何を勉強してたんだ、これ書いたディレクターは( ̄д ̄)! 大学、出てますよね!? 「起こりうるかもしれない」は、「起こりうる」か「起こるかもしれない」、どちらかでいいのですが、書いてて気づかない(ーー;)? あるいは、それくらい自信がなかったのか?
コメント
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