飛鳥山は今でこそ単なる都営の公園であるが、元は8代将軍吉宗が享保の改革の一環として庶民が安心して花見ができる場所を、ということで整備した由緒ある公園である。
今は桜の季節も終わっており、人もまばらである。まずはJR王子駅前からすぐのところにあるスロープカー『アスカルゴ』(飛鳥山公園モノレール・無料)に乗ると距離48m、高低差17.4mを2分で登ることができる。同乗者は3人、エレベーターのように無人操作をすると自動的に倍賞千恵子さんのナレーションが始まる。その話で少し前に来ればもう一つの名物のサツキが楽しめたことも知る。わずかな時間だが、階段を上がるよりはかなり楽しめた。
もちろん、スロープカーを降りると眺めがいい。公園の中には葉の繁ったソメイヨシノの樹とライトアップ用の照明がならぶ。さらにしばらく行くと聖観音菩薩像や幾つもの石碑が並んでいる。
その先には小生が子供の頃からある児童遊園。大きな滑り台は昔のまま、また、都電荒川線の車両とSL(D51)が並び、その辺りでは小さな子供を連れたグループが昼食を食べている。
その隣には紙の博物館、北区飛鳥山博物館、 渋沢資料館が並んでおり、いずれも都電荒川線1日乗車券を見せると割引になる。せっかくなので紙の博物館にはいるが、王子製紙のお膝元ということもあり、紙の製法からリサイクル、歴史など細かく分かる仕組みになっている。展示はレベルが高く面白いが、もう1つ見ると博物館に堪能し、申し訳ないが他は遠慮した。
さらに奥にも公園は続き、回ってみる。そして来た入口と反対側に降りると飛鳥山の電停のそばに出るが、それほど長い階段もなく、かなり王子駅あたりが谷になっていることが分かる。飛鳥山公園を小生が訪れるのは中学以来だが、児童遊園が殆ど変わっておらず、やはり懐かしい公園であった。