『改めて日本語を知る』その10。今回は形容詞の前に例えば『小』をつけた場合にその意味が変化はすることに注目してみる。
例えば『小ぎたない』『小ばかにする』『小ざっばりしている』『小ぎれい』『小粋』『小生意気』『小じんまり』『小うるさい』『小ざかしい』などと使う。その場合に『小』が付いているからといって、きたない度(この言葉があるかはしらないが)が必ずしも『きたない』>『小ぎたない』ではないことが面白い。小が付く方が何となく強調されている感じがするし、『生意気』のほうが『小生意気』より許される気がする。(生意気な奴と小生意気な奴がいた場合、小生意気の方が嫌な奴の感じがする)では、この『小』という接頭辞はいったいなんだろうか。
また、形容詞だけでなく、『小悪魔』『小役人』『小利口』『小姑』など幾つかの名詞に小を付けると意味が全く変わってしまうこともある。
これだけ並べてみるとどちらかというと本来の意味を強調する、又は賤しめたりする場合とコンパクト、可愛らしいというニュアンスを出す場合があるように考えられる。
これと似ているのが中国語で『小』を付けると見下した表現や小馬鹿にした表現となる。(普通に使う時は◯◯ちゃん、◯◯君的な表現)最近も日本バッシングの際に『小日本人』(シャオリーベン)と使われるが、これは日本人を小馬鹿にした表現である。
しかし、これが使われ始めたのは日中戦争の際に『大日本帝国』を揶揄して、抗日活動をする際に対語として使われ始めたと言われている。
高々『小』という一字をくわえるだけでニュアンスが大いに変化する日本語は中々面白い。