CNNに面白い記事(27日APから転載)を見つけたので私の経験を挿み紹介したい。
70年代末に私が初めて米国に行った時、友人が一度は経験してみろといって連れて行ってくれたのがハンバーガーショップのドライブスルーだ。車に乗ったまま一通の車列交尾につき小さなマイクに向かって怒鳴って注文、数分後に前方の窓口でオーダーしたものを受け取った。
初めての時はアメリカ的簡単さと速さに感激したものだ。90年半ばに仕事で米国に駐在した時、会社幹部はレストランのテーブルで食べるものという暗黙のルールみたいなものがあり、一人の時以外は滅多に利用しなかった。しかし、子供達が日本から来た時一度だけはと経験させた。ドライブスルーはマクドナルドやバーガーキング、ウェンディーズからタコベルまで他にも色々あったが、個人的にはバーガーキングが好きだった。
これらファーストフードの店は客が車で来る便利な立地に集中するから競争は激しい。記事によるとバーガーキングの売り上げの70%はドライブスルーだそうで、ここで勝つかどうかで業績が決まる。味と価格もさることながらオーダーしてから商品を手にするまでの時間が勝つか負けるかの決め手になるので各社その短縮に努めてきた。
クレジットカードやデビット(ATM)カードの支払いが多い米国では、与信確認ための時間短縮も重要である。チェッカーズはタッチスクリーンを使ったシステムを導入し業界トップの時間短縮を実現したという。バーガーキングは部分的に事前調理して温度・時間を管理して鮮度を保ちながら時間短縮に成功した。
しかしコンピューターを使った電子メニューなど工夫しても時間短縮にも限度があり、過去5年間注文聞き・支払い・商品を渡すまでの時間、所謂リードタイムは3分を切れず頭打ちになっていた。勢い改善はコンピューターを使い注文をディジタル表示する等注文取りの精度向上に向かい、マクドナルドではこの4年で11%改善したという。
今、舞台裏で最も変化してるのは、例えばマクドナルド等で顧客がマイクに向かいオーダーするとお店の店員でなくコールセンターに伝えられ返事が来るようになったことである。こうすると西海岸に多い英語が不自由なヒスパニック等を店員に雇える。今はミネソタ等の中西部にあるというが、理屈上コールセンターは何処にあってもかまわない。
コンピューターは店毎に並ぶ車の列を読み取り受注内容をシミュレーションし、お店に事前調理を指示する。更に受注状況をセンターでリアルタイムに把握して最適な食量仕入れが可能になり新鮮さを保ちながら無駄を減らすことが出来るようになったという。
この記事を読むと米国のファーストフード・フランチャイズの競争の激しさと、仕事の工程を分解してそこにITとアウトソーシング等をうまく活用していく知恵に感心する。こんなところまでアウトソースが出来るとは思わなかった。セブン・イレブンがコンピューターを使い個別品目管理を導入し成功した例があるが、日本のファーストフードはどうだろう?■