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かぶれの世界(新)

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ハグ

2006-10-28 10:59:58 | 日記・エッセイ・コラム

日本ハムが日本シリーズに勝った時全選手がハグをしているのは今までに見たことのない景色だった。肩に回した手をパタパタさせて喜びの気持ちを表していたが、ややぎこちない感じを受けたのは私のほうが見慣れてなかったからかもしれない。

90年代半ばから米国で生活をするまではハグは映画やテレビでしか見ることはなかった。米国のビジネスの場でハグを見ることは滅多にないが、親しい友達が長い別れを惜しむ時等にはオフィスでも見かけた。女性のほうが圧倒的にハグをし、男・男がハグをするのは余り見かけなかった。

ある時送別会で女性が全員とハグをして別れを惜しむ場面になり、私の順番がくると逃げるわけにも行かずハグをした。それが始まりで、そういう機会がくれば躊躇無くハグをするようになった。しかし、私はどんな親しい男性ともハグをした記憶はない。米国人でも体がくっつくハグを好まない人もいる。地域差があると聞いたことがある。

ブルックリン出身の馴染みのマッサージ・セラピストも、日系女性のエステシャンも引越しの時ハグをしてサヨナラした。東欧系移民の女性の結婚式に招かれた時、花嫁は頬と唇をきつく押し付けてハグしてくれた。東欧系女性のハグは情熱的と聞いたが成程これかと思った。

ある時同僚の女性と出張先でディナーを一緒したことがある。彼女が一度は行ってみたいと言っていた高級レストランでフレンチをご馳走した。数日後シアトルのオフィスに戻り出勤した時、彼女が挨拶を言いながらハグをしてきた。ちょっと驚いたがすぐにハグを返した。

目の端に廊下で見てはいけないものを見たという感じでドア陰に隠れた人影が映ったのを感じて私は慌てた。ちょっとぎこちなく身を引いたのが彼女にも分かったようだ。気まずい雰囲気が流れた。私がオフィスでのハグを迷惑と思ったと解釈したようだ。そういうつもりは無かったのだが、気まずさがその後もずっと続いた。オフィスで気安くハグをするなという教訓だったかも。

私の記憶では仕事以外で親しくなった人も含め男性とハグをした記憶が無い。数人の親友とも分かれる時は握手しただけだった。男とハグするなんてありえない、余程感情的になった時の特別のものだった。突然札幌ドームでハグが始まった時の違和感は多分そのせいだったのだろう。

そういえば最近ハグをした記憶が無い。時折様子伺いに米国に来てくれた家族を空港でハグした時彼等のぎこちない反応を思い出す。帰国後は嫌がってハグをしてくれない。満員電車で他人の体がくっつくのは気にしないのに、対面の距離はある程度ないと落ち着かないようだ。■

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