かぶれの世界(新)

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それは前兆か

2007-03-24 18:11:38 | 国際・政治

国のメディアが20日興味深いニュースを流した。ビデオブロガーのPhillip de Vellis氏が民主党のオバマ上院議員などのウェブサイト業務を代行する会社Blue State Digital社から解雇されたというもの。解雇の理由はクリントン上院議員を攻撃するスポット動画を作った為という。

YouTube」に投稿された74秒のスポット広告を見ると、これが中々良くできている。既に100万以上の人に見られ大変な人気だそうだ。1984年にアップルが作った広告を下敷きにして自宅のアパートのパソコンを使って休みの日にたった1日で作ったものだという。

1984年アップルはIBMの大型計算機をジョージ・オーウェルの人気SF「1984」の圧政者「ビッグブラザー」に見立てパソコンを宣伝した広告を作り評判になった。これを使ってクリントン上院議員を既存政治体制の代表に見立て、オバマ氏を圧政から解放するアップルに喩えたというもの。

この内容を見ると具体的な内容で反論するのが難しいが、全体としてクリントン氏の印象を悪くするよう巧妙に作られており、上院議員は直ちに訴訟する積りはないらしい。オリジナルのアップルもダンマリを決め込んでいるという。しかし、一見して映像のインパクトはかなりあった。

者の中に、これは2008年の大統領選の風景を一変させるほどのインパクトがあるとの見方がある。大金を使ってテレビ広告を打たなくとも普通の人が1日で作ることが出来、しかも内容にインパクトがあればテレビに取り上げられ全米に放送、更にそれで興味を引きサイトアクセスが急増した。

今まで大統領選には巨額の選挙資金が必要とされ、資金の殆どはテレビコマーシャルに投入された。長いキャンペーンの途中で候補者は資金が続かず降りていく。有力候補といえども接戦州を選んで重点的にスポット広告を打ち、選挙資金の有効活用を図る必要があった。

今回YouTubeはテレビ等に限られた政治的な映像メッセージ発信を個人の手に取り戻す手段(Vehicle)として極めて有効であることが証明されたことになった。

米国の後を追う日本は果たしてどうだろうか。CNET3/22)によるとYouTubeの国内利用者がついに1000万人を超したそうだ。先日書いた「ネチズンの世紀」で我国でもネチズンの政治的影響力の高まりを予測した。ネットワークの高速化が進み映画音楽などの娯楽だけでなく、動画を含む政治経済ニュース記事が増えて来た。

しかし個人レベルがメッセージ、主義主張を動画で発信するのを見たことがない。米国ほど技術やセンスを持った政治的クリエータがまだそれ程いないのではないだろうか。都知事選や参院選でYouTubeもしくは類似の動画サイトが何らかの役割を果たすかどうか、可能性は低いと私は予測する。■

コメント
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