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周回遅れの読書録13秋

2013-12-01 22:04:30 | 本と雑誌

11月初めまでに読んだ書籍を記録したメモを田舎においてきた。申し訳ありませんが今回は帰京後1ケ月間の読書録を紹介させて頂きたい。来年初夏には田舎に行くつもりなので、その時に合わせて紹介させて頂きたい。半年遅れになるが、元々周回遅れなのでどうということもないだろう。

その中で、是非にと読書をお勧めしたい本は特にない。優れた著書が多い竹森俊平氏の「日本経済復活まで」は震災直後に書かれたもので、先の原発事故とで世界同時金融危機の類似性を説くのは面白いが、私にはちょっと軽いやっつけ仕事のように感じる。他に田舎に忘れてきた本にもっと読書を勧めたいものがあった気がする。来年のお楽しみにさせて欲しい。

(2.5)日本経済復活まで 竹森俊平 2011 中央公論社 東日本大震災後数か月時点でドイツから帰国した著者が、天災と人災に分けて復興状況を論じ電力供給ショートの対応として東西分散を提案している。福島原発事故とサブプライム金融危機の類似性という発想は面白い。震災からの復興は95年モデル(阪神神戸大震災)とはならず、輸出主導型になるという予測は鋭い。

(2.0)ブランドはなぜ墜ちたか 産経新聞取材班 2001 角川書店 雪印・そごう・三菱自動車が品質問題を起こし、その構造的要因と対応のまずさから消費者の信頼を失い経営の危機を招いた経緯をたどったもの。今日の有名百貨店のレストランの食材偽装に繋がる問題が描かれており、体質改善が進んでない現状と照らし合わせて読むと面白い。

(2.0)ノマドワーカーという生き方 立花岳志 2012 東洋経済 41歳で会社を辞め最新のネット機器(Mac系)をフルに活用したフリーの情報発信者、というか生活総てをディジタル化した生き方を紹介したもの。気楽な退職生活ブロガーの私には、最先端のアプリの活用は効率的で眩しく映るが、総てがコンピューターにコントロールされて息苦しく感じて余り参考にしたくない気分だ。

*.*真説宮本武蔵 司馬遼太郎 1983 講談社 著者の歴史解釈に基づいて宮本武蔵・吉岡憲法・千葉周作など6人の剣豪を著者の信じる、より史実に近いエピソードで描いた短編集。武蔵を巡る剣聖伝説がより人間臭く描かれていて興味深い。

*.*指揮官たちの特攻 城山三郎 2004 新潮文庫 最初と最後の特攻(レイテ沖海戦の特攻隊第一号と玉音放送後の最後の特攻)で戦死した大尉が、奇しくも海軍兵学校の同期生で新婚だった。この二人の青年指揮官の運命を描いたものだが、ノンフィクションというには内容が薄い。玉音放送直後覚悟の出撃をした宇垣長官が数名の特攻を道連れにした件は怒りを感じた。 

「指揮官たちの特攻」で描かれた宇垣長官の道連れになった大尉は、「永遠のゼロ」(百田尚樹)のモデルになったのではないかと感じた。何人かの実像を寄せ集めて作った人物だと聞いたことがある。ストーリは中途半端で劇的じゃないが、現実に起こったことだと思えば読む気持ちも変わって来る。■

コメント
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