かぶれの世界(新)

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棚経で恥じる

2015-08-16 11:26:56 | 日記
昨日の朝、バイクのエンジン音が聞こえてきてインターフォンが鳴った。私は誰が来たか分かった。お寺の住職しかない。玄関から居間の盆棚に案内した。和尚さんは直ぐにお経をあげ始め、数分でお経は終わった。私は台所に行き予め準備したお礼のお茶とお布施を持って居間に戻る瞬間段差につまずき、和尚の方向にお茶をこぼしお布施の包みを濡らした。幸い和尚にはかからなかったがとんだ粗相をした。

最近の私は大抵のことでは動じなくなった。高齢者になって益々鈍感になった。だが、雑談が始まってすぐ和尚さんが、盆棚の供物(果物)を載せる塗物の台が総て逆様だと言われた時は流石に恥ずかしかった。この年になって無知を恥じるとはこのことだった。言われて直ぐに台をひっくり返し供物を並べ直した。塗物に我が家の銘が入っているのを見て名家の証拠、大事にして下さいとフォロウしてくれたが私は恥の上塗りをした気分だった。

そもそも盆棚は母がやってた頃に比べると手抜きの簡易バージョンだった。仏具は変わらないが、食べ物や植物などは殆ど飾らない2時間程度のやっつけ仕事で済ました。だが、和尚さんは盆棚についてそれ以上何も言わなかった。先日サボったお施餓鬼のことも触れなかった。下手な言い訳を言わずに済んだ。

私は和尚さんが急に老けた感じがして健康が心配だった。聞くと母より一回り若い昭和14年の生まれの後期高齢者だと言われた。2年前にガンの摘出手術をされたが、回復され最近顔色も良くなったと聞いたと言うと否定も肯定もされなかった。逆に私の母や家族のことを聞かれ、普段言わない泣き言を聞かせてしまった。

他愛のない雑談もすぐ終わり、和尚さんは昔通りのスーパーカブに乗って帰って行かれた。今年は当然車で来られると思った、気を付けて運転して下さいというと笑顔が返って来た。多分、毎度挨拶代りに言われてうんざりしているのだろう。いずれにしてもちょっと恥ずかしい棚経が終わった。明日母を見舞い報告する。■
コメント
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