かぶれの世界(新)

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もう一つの真実

2017-06-04 16:29:31 | ニュース
8日の英総選挙で圧勝を予想していた保守党の苦戦が直近の世論調査で伝えられ、単独過半数を維持してEU離脱交渉に臨むメイ首相の目論見に黄信号が灯った。今朝の日本経済新聞によると最新の世論調査によると何の調査会社も保守党と労働党の支持率が接近していると報じられた。

調査会社  ユーガブ   イプソス・モリ   ORB    ICM
保守党    42       45         44      45
労働党    38       40         38      33
(単位%)

依然保守党がリードしているが公約の社会保障政策が高齢者層に不評なのに、メイ首相が曖昧な態度をとり反発を治められなかったのが原因とされる。結果によりEU離脱交渉が大きく左右される重要な選挙だ。

世界が注目する英総選挙結果もさることながら、EU離脱を問うという国の舵取りを決する国民投票の予想が外れた調査会社の予測精度が、今回改善されたのかも私は非常に気になる。予想に反する結果は米大統領選でも続いたが、先のフランス大統領選はマクロン氏の当選を精度よく予測した。一体何が違ったのか。

何が原因だったのかいぶかり、世界は英米の世論調査の精度に疑いを持った。世論調査が政策の是非や首長の支持率を誤るようでは、民主義政治にとって致命的な影響を与える。勿論、英国の調査会社は深刻な問題と理解して3つの対策をとったという(6/3日本経済新聞)。基本は見落とされた層を如何に反映させるかだ。

1)タブロイド紙購読層を重視し高学歴層偏重を補正。(イプソス・モリ)
2)投票に行くとの自己申告を過去データから割引いて反映。(コムレス)
3)支持率と合わせ選挙区毎の獲得議席推定の差を公表。(ユーガブ)

これだけで予想の精度が上がるのかどうか私にはわからない。少なくとも夫々の予測の改善度合いを定量的に評価して更なる改善を目指せるだろう。だが、上記の記事では予測精度が高かったフランス大統領選の手法を調べ取り入れた気配がないのが気になる。米国の場合隠れトランプ支持が調査結果を歪め選挙結果に影響したと言われるが、英国の場合はどう考えているのだろうか。

翻って我が国では新聞・テレビ会社が世論調査をする為か、これ等メディアの主張・方針が設問に反映されて予測結果に影響すると指摘されている。従来から世論調査が固定電話の持ち主を対象にし、結果的に若者外しになっている問題もある。自前の世論調査をしそれを基に政治を論評することに、メディア各社はもっと謙虚で慎重であるべきだと感じる。

「もう一つの真実」はトランプ大統領顧問のケリーアン・コンウェイ女史が根拠のない発言を「嘘じゃない、もう一つの真実」だと擁護して有名になった言葉だ。この馬鹿げた発言に世界中が呆れた。果して英国総選挙予測が「もう一つの真実」になるのかどうか世界が注目している。もしそうなったら、再び世界が呆れるだろう。■ 
コメント
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