かぶれの世界(新)

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農振法???

2017-11-22 20:22:36 | 社会・経済
「ノーシンホー」??? 市の農業委員会で職員から何度も連発される言葉を聞いていて、やがて漢字が思い浮かび何を意味するか分かった。後から調べると「農業新興地域の整備に関する法律」の略称なのだ。当方の不動産屋さんと山林及び畑の買主のIさんはよく分かっていたみたいなので、私は黙って聞いていた。というか、担当のおネーちゃんは意外に綺麗だなと思いながら見守った。

その1時間前に買主宅で売買契約書にサインしお金を受け取った。売却したのは買主宅の裏山とその南側にある小さな畑だ。母が元気だった頃から申し出があり、一時は母もその気になったらしいが何かの理由で破談になっていた。母が死んだ前後から私に申し出があったが、母が断ったものを売る訳にはいかないと返事を渋っていた。両親が40年前頃に一緒に植樹したと言われる梅の木があるのも気になった。

昨年母が死んで買主の攻勢は一段と強まった。長老にまで言わせて後押ししてきた。この季節になると山林の栗の木の落ち葉が大量に飛んで来て彼の家に落ち清掃が大変なのだという。この地は山に囲まれ多かれ少なかれどの家でも同じだ若干感情的に答え、母の一周忌が終わってから考えると答えを先送りしてきた。

そんな時昨年から山刈を依頼している職人さんに意見を求めると、彼は裏山が土砂崩れ等の災害があった時の対応を考えると売った方が良いと勧めてくれた。これが迷っていた私の決断を後押しすることになった。後に仲介を依頼することになる不動産屋さんも全く同じ意見だった。

不動産屋のNさんは畑や山林の取引に詳しい方として紹介されただけあって、山林境界の確定など誠に手際が良かった。以前紹介した手書きの野取り図に留まらず、その後法務局に行き平成4年に測量した図面を見つけ出してくれ正確な地積が分かった(その結果面積が増え少し高く売れる)。だとすれば法務省と国交省(国調)の横の連絡がないということになる。それはそれで問題だが、それは別途。

話を戻すと、買主宅で手順に従い契約書を確認して押印、一括払いでお金を受け取った。重要事項説明書、契約書、取引対象となる山林と畑の図面の三点セットが確認された。買主の奥さんは遠慮しても聞き入れてくれずご祝儀と赤飯を押し付けられた。その足で農業委員会に行き、冒頭の農地の売買の承認を得に行った。

延々と1時間半も粘った結果、農業委員会の答えは「ノー」だった。問題は買主にあった。農振法は農地の買主の条件を厳しく制限している。一定面積以上の農地を使って農業に従事していること、農地を所定の手続きをせず転用するなど不適切な行為をしてないことが条件で、買主は後者に問題があった。

その後、Iさんは具体的に例外措置の例をあげて反論し、元々農振地指定に無理があり見直すべきだと主張して粘った。私も、この売買契約は売主が東京に住んでいて遊ばせている農地を活用するためなのに、認可されなけれな遊休農地を今後も遊ばせることになる、農振法の趣旨に反していないかと助太刀をした。

しかし、対応してくれた担当女性も課長も法に従うの一本槍、農振地の決定は市の農林課でもなく県によると言い、最後まで法文は明確に禁止しており裁量の余地はないと言い張った。12時半ばを過ぎ我々は納得したとは言わなかったが一旦交渉は終わりとした。交渉は失敗したという方が正しい。

その後ロビーに戻り、不動産屋さんは我々に向かって経験ではこれ以上押しても無理と言い買主も納得した。私が「契約を見直すのか、それならお金を返そうか」というと、「それはそれ、契約はそのままにして実質は買主のものにする方法を考えよう」と買主も不動産屋も口を揃えて言った。

そんな方法もあるのかと思ったが、例えば買主の子供に問題の土地を相続させ農振法の対象外にするとか、20年間借地にして買主にの手に渡るようにするとか、色々作戦を考えられそうだ。なるほどね~。今日の午前中に歯医者に行っている間に連絡があり、東京に戻る前日の夕方に司法書士事務所に行き契約の見直しをやるから来てくれと伝言が入っていた。上記の作戦を盛り込んで来年の登記方針が決まるはずだ。■
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メルケルの苦境は民主世界の危機の始まり(追加)

2017-11-20 20:35:47 | ニュース
昨日メルケル首相の連立協議が失敗したら民主世界はヤバイと投稿したが、19日深夜に連立交渉が頓挫したと速報された。外出から戻り午後パソコンを開くと日本経済新聞によれば、「メルケル時代の終わりが始まった」と報じる記事を見た。心配していたが、昨日投稿したようにやっぱりかという気持ちもある。

大方の予想は、3党の主張は異なっても最後には妥協して取り敢えず何とかなるだろうというものだった。何ともならなかったら、EUはリーダーを失い一体どうなるのか、更にトランプ大統領の下で米国政府が機能せず中ロがやりたい放題やったら世界は一体どうなるのか。連立協議の失敗などあってはいけないと思っていた。

先ほど入って来たファイナンシャルタイムズ(FT)の速報によると、ユーロは「下落」と「変動せず」の二つの情報が流れたが、その後の日本市場の動きを見ると取り敢えず連立失敗のニュースはやり過ごしたようだ。米国の反応が気になる。他の速報では再選挙になる可能性が高まったという。

連立協議の失敗によってメルケル首相のリーダーシップは傷つけられたのは間違いない。結果論だが、ドイツ国民は「難民受け入れによる国内の混乱」を嫌い、「国内とEUの政治の混乱」を選んだ。非難を躊躇われる。だが、私の予測するようにそれは世界の危機につながる恐れがある。

上記の記事は私と違って欧州の盟主であるドイツの「無責任さが目立つ迷走劇」と切り捨てている。そうかもしれないが、日本がやってきたことを考えるとそんなこと言う資格はないと思ってしまう。いずれにしろ後戻りはできない。■
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メルケルの苦境は民主世界の危機の始まり

2017-11-19 13:24:23 | ニュース
たまには真面目な問題について、日本から遠い国で起こっている心配なことについて論じてみたい。

世界中の目がトランプ大統領のアジア訪問に向いている間に、連邦議会選挙で与党が大幅に議席を減らしたドイツの連立協議が難航し、いまだに連立政権の骨格が決まらずメルケル首相が苦境に立たされている。ドイツ政界の混乱は長期的に見てドイツ国内問題を越えて世界にとって深刻であると私は憂慮する。

全ては2015年の難民100万人(正しくは90万人?)受け入れ決断から始まった。世界中が称賛したこの決定の後、メルケル首相は急速に支持率を下げ、9月の連邦議会選挙で大敗し第一党の位置をかろうじて保った。選挙後難民受入れ政策の誤りを認め20万人に減らした(それでも他国と比べれば多いと思うが)。

連立政権からドイツ社会民主党(SPD)が離脱を決め、自由民主党(FPD)及び緑の党と連立協議を開始した。報道では両党はSPDより更に遠い「右と左」で、難民受け入れ・欧州統合政策などが相反する両党に挟まれ調整が難航している。水と油みたいな組合せの連立では難しい、再選挙になる可能性もあるという。

その間にもCOP23や仏大統領の欧州統合化提言など政治日程は進み、国内政治の土台がしっかりしないメルケル首相のリーダーシップの衰えが同時進行しているようだ。同時に中東欧で大衆迎合するポピュリズムに乗って右派政権が台頭し、今まで難民受け入れに理解を示した親メルケル政権にとってかわった。

こうしてメルケル首相は国内外のポピュリズムに包囲されつつある。米国のトランプ現象だけではなく、ポピュリズムが世界地図を書き換えつつある。勿論、現下のグローバリゼーションに乗った米国IT企業に富が集中し格差が拡大、民主主義システムの富の配分の失敗と失望というのも重要な要因だ。

これが私が危機感を覚える理由だ。自由な民主主義を守る警察官の役割を降り自国第一のトランプ大統領下の米国の相対的影響力低下が続く中、中国マネーになびく国が増えている。それらの多くはお金が欲しい強権国だ。大戦後のパックスアメリカーナの下で民主主義国が増えたが、今逆行している様に感じる。

ポピュリズムの最後の防波堤としてメルケル首相に期待する向きがあった。が、ここに来てメルケル首相の失速は即EUの弱体化であり、即ちEU統合からの後退の危機の始まりと恐れる。私は昨年トランプ大統領が誕生した時、次世代の世界のリーダー候補としてメルケル首相をとりあげ、軍事力を背景にしない国のリーダーを難しさを論じた。

しかし、その時は難民問題で国内の政治基盤が脆弱になるとは予想しなかった。国内のポピュリズムに足元をすくわれる事態となった。私はこの後の展開を悲観的に見る。連立政権の生みの苦しみは10年以上続いたメルケル政権の終わりの始まりだと予想する。そうなれば、世界の民主主義が待ち受ける試練となるだろう。

この危機の救いを求めるとしたらそれは米国しかないと私は考える。最近の米国から流れて来るのはロシアゲート、銃撃事件、オピオイド(薬物)問題、そしてセクハラ事件と内向きなニュースばかりだ。ブッシュ父大統領など何十年も前のセクハラまで蒸し返され大騒ぎしている。だが、バカ騒ぎにうんざりして正気に戻り立ち直る時がいつか来る。米国の復元力は凄い。問題はそれがいつ来るかだ。■
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泣けない朝ドラ

2017-11-17 23:00:24 | 芸能ネタ
NHKの朝ドラ「わろてんか」が好調な視聴率をとり人気だそうだ。だが、私は前作の「ひよっこ」ほど「食いついていない。毎朝食後に新聞を読んでいると朝ドラの時間が始まり自然と見てしまう、という程度の視聴スタイルで熱狂的なファンという程ではないし、偉そうに評価する程詳しくもない。

だが、ここ数年の朝ドラは嫌いではなかった。「花子とアン」とか「マッサン」、「朝が来た」など実在の人物を描いたものは嘘っぽくなくて良かった。又、「ひよっこ」は高度成長時代の自分に重ねて合わせて見たものだ。私をよく観察して分かっているとばかりに、娘は「お父さん、これ見て毎日泣いてるでしょう」とぬかした。

私は「違わい、3日に一度だけ」とメールを返した。だが、「わろてんか」は泣けないのだ。そういう物語ではないようだ。しかし出足は展開が安っぽくて笑えなかった。最初から視聴率が20%を越えたというニュースを見て、私は自分の感覚を疑った。特に藤吉が真面目に頑張るといった直後に脱線して挫ける展開が不自然だった。

だが、ここに来て主人公夫婦が寄席を手に入れて工夫しながら奮闘する姿を見て、ホンマの物語らしくなってきたように私は感じた。笑いの感覚のズレは私が長く関東に住んでいて関西風の笑いに慣れてないからかも知れない。多分、ブツブツ言って素人評価しながら今後も朝ドラを見続けるのだろう。■
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野取り図

2017-11-16 20:53:34 | 社会・経済
一昨日の朝インターフォンが鳴った。所有する山林と畑の売却仲介を依頼しているNさんが軽トラックを玄関に付けて小雨の中待っていた。携帯に電話したが電波が届かないとのメッセージで直接来たと言われた。実家の北半分にある書斎にいた私は、この先から携帯電話が通じないという奇跡の境界線の外にいた。

対象となる土地を示す国調(国土調査)結果の図面を先日Nさんに渡した。彼がそのコピーを買主に見せたところ、買主宅の裏山に当たる部分が広く空白になっており何の表示も無いことが分かった。私は変だと気付いていたが、地図が何かの理由で不正確なのだろうと思っていたがそうではなかった。

Nさんは市役所や国土省出先などの関係役所を巡り、国調で作成した図面は境界をGPSでディジタル化したもので間違いなく正確だと確認された。但し(この「但」が問題だった)、境界に接する土地は全ての所有者が確認しない限り境界は確定せず、図面は白紙のまま残されるのだという。

そう言えば4年前に私は国調に立ち会ったが、その時は隣接する土地の所有者らしき人はいなかった。登記上は該当する土地は細切れに分割され沢山の地番が割り当てられていた。誰か一人でも所有者の確認が取れないと正式な境界とはみなされず、もし相続手続きがされてないと確認すべき人が増えて確認困難になる。

となると、不正確でも国調以前の地図を調べるしかないというのが結論で、その為にNさんは私に立ち会うよう来られたのだ。私は事情を聴いて即答で了解した。Nさんの車で市役所の地区連絡所に向かった。そこには所長と2人の職員しかおらず、全員で対応してくれた。合間の世間話が面白かったが省略する。

そこで閲覧したのが「野取り図」で一般に明治から大正時代に作られたといい、日本画のような巻物になって巻いたまま何十本も壁にぶら下がっていた。地番をいうと該当する巻物が机に広げられた。職員はこれは歴史遺産とか芸術的なもので、法的に所有地を保証するものではないと何度も念押しした。

しかし、一方でそんな曖昧な状況にも拘らず私は地番と面積が登録され税金を払っているのだ。かすれた線や字を追っていくと、Nさんは買主の裏山あたりに私が持参した固定資産納税通知書にある地番と一致する土地を見つけた。緩斜面から裏山に続く山林は4つの地番に分かれているというのが辿り着いた結論だった。その3つの地番は固定資産税通知が示す面積が如何にもそれっぽい。

私は国調にあった地番の土地と、野取り図の地番が示す土地は繋がっていなければならないのに、手書き図面上の位置関係が離れすぎているのが気になった。だが、Nさん始め他の人は解決済みという顔だった。どうせ任せる積もりだったのを思い出し、宜しくお願いしますと言って確認を終えた。野取り図を見れたというだけでもいい経験だった。■
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