在宅介護のばあちゃんの、話し相手をしていると「鼻取りしたんだぁ」って。ばあちゃんが、尋常小学生の想い出。田植え前の、田んぼをならすのに、馬を使っていた時代の、子どもの仕事の一つだったのだろう。馬の口にひもで竹竿を結び、田んぼの中を歩かせる役目。水田だから、馬も子どもも疲れ難儀をしたのだろう。疲れてしまい泣き出す子どもに代わって、地蔵様が手伝う話しは、各地にあるという。ここに出てくお地蔵様は、子どもの親が、手伝ってもらつた礼をしようとしたが、見当たらなく、田んぼの仕事がおわった、帰り道、泥足のあとが点々あり、たどっていくと、お地蔵様だったという、むかし話し。ばあちゃんの頭の中には、かれこれ、90年前の頃の、友達と親と兄姉と、馬小屋のことがあるのかも。鴨志田著、絵は鈴木菜穂子より。