八十路徒然なるままに

春暮れてのち夏になり、夏果てて秋の来るにはあらず、春はやがて夏の気をもよほしーーー。徒然草より

こらあぁ、あぶぅねえぇぇ。

2013年04月13日 12時19分51秒 | Weblog
時々登場するばあちゃん。八月になると、満九十九際になる。おすまし顔で、笑ってしまう。ばあちゃんも、「めんごいなぁ」って、喜んでいる。デジカメで、パチリパチリと、撮っている。目的は、お葬式に使う遺影にしようとししている。なかなか、これぞというのが、撮れない。そんなつもりがだが、撮ったのを、ばあちゃんに見せると、「ありがとう」っていう。別の話し。ちょつと前に、ばあちゃんが、盲目のピアニストが、演奏をしているのを、テレビで見ていた。不適切な言葉や、失礼な会話がありますが、ご容赦ください。ばあちゃんが、あまりにも真剣に見ていたので、声をかけないでいた。時々首をかしげながらテレビを見つづけて、「あの人、ちょっとおかしいょぉ」って。「アメリカ人かなぁ」って。顔が正面にアップになったら、「あっっ、どっちもだあぁ」って。「両方、見えねえんだって」と、聞かせると、「かあぁちゃん、いねえぇのがぁ」って。「かあぁちゃん、なにしてたんだぁ」って、テレビに声をかけていた。テレビの中の、ピアニストを不思議そうに、夏得がいかない様子で、まじまじと見ていた。ピアノの演奏は、わかるはずがない。そこへ、孫が、歯ブラシをくわえたまま「ばあちゃん」と、声をかけたら、「こらぁっ、あぶねええっ」って、大声で怒った。くわえたままのを見て、また、ちらっとみて、「あぶねえぇって、いってんだぁ、こらあぁっ」って、大声で云っていた。そのあとも、不思議そうにテレビを見ていた。「終わったら、お医者さんに行くって」と、聞かせると、「んだらいい、大丈夫だぞう」と、テレビに云っていた。「医者にみてもらへよぉ。入院すれば、なおっかんなぁ」って、テレビに、話しかけていた。やがて、ピアノ演奏が終わり、別の番組になっても、目をこらしていた。「ばあちゃん、あの人、お医者さんに行ったっぺぇ」って、聞かせると、夏得がいったような顔になった。考えさせられる、ばあちゃんの、ひと時だった。不適切な言葉や、文言は、ご容赦ください。

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