毎日、ベットか車いすに乗って、テレビを見ている。気分転換を考えて、テレビの下に、飾った。百歳の誕生日に贈られた賀詞の額も、鴨居に掲げてある。時々、見回しをしている。お喋りしているとき、「百壱歳だなぁ」という。日々、元気でいられればと、願っている。
ばあちゃんの頭のスイッチが、入れ違うと、口から出てくる。「おかめはっちょう」と。大樹林より。「おたふくめん=阿多福面。額の部分が広く、前方に出ていて、頬がふくれ、鼻の低い女の顔の面」とある。「おかめはっちょぅ」の「おかめ」はおたふくのこと。「はっちょう」というのが、わからない。なにか頭の中にあるのだろう。初詣のときお守りと一緒に買ってきた。ちょっと一句。「息白し 巫女の笑顔や 初参り」。お粗末。
正月も終わり、七日には、門松を送る。我が家の、ばあちゃんは、元気でいる。日曜日は、休みで、午前と午後、ヘルパ―さんの世話になっている。仕事とはいえ、感謝をしている。日に三回の食事の介助は、ばあちゃんの気の向くまま、眠ったり、怒ったりして、食事の時間のずれは、しょうがない。よく食べるように、しむけている。元気でいられれば、ありがたいことだ。