八十路徒然なるままに

すざまじきものにして見る人もなき月の寒けく澄める、廿日のあまりの空こそ、心ぼそきものなれ。徒然草より

つつがなく

2022年01月06日 15時07分52秒 | Weblog
ばあちゃんは、元気で越年をした。介護用のおせちも食べた。八月の109歳の誕生日迄は、大丈夫。どんな状況で、おさらばするのか、知ることはできない。頭の中では、おさらばしたいと、思っているのかも。百歳前の、お喋り出来た頃のこと。「死んじゃったぁ 死んじゃったぁ 皆んなぁ 皆んな 死んじゃったぁ おれも 死んじゃつたぁ」と。ある時は、口をしきりに、もぐもぐと、何かをしやべっていた。「どおしたのぉ」と聞くと、「「おれぇ 死んじゃつたぁ」と。「へぇー ばあちゃん 死んだのげぇ」と、聞くと、「 んだぁ 」と、「お墓さ 行ったのげぇ」と聞くと、「いいところ だっぺえ」と、言っていた。「日向ぼっこ 生きてる すまなささびしげに お寺さ いくべぇ あの世さ いくべぇ」と。「百二歳と 生きながらえて なに思う 半べその顔 いとおしく見るけ」。「あばれ寅と 前ずくと わたしも寅よと 女医先生 やさしく甲をなで 怒り鎮める」。「母の日の メロンよりも 添え書きを握り 目で追い うれしく読む」。「死んじまぞぉ 死んだら どぉすんだぁと 叫び呼ぶ ポータブルトイレへ 急ぎリフトで」。
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