おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。
今までの流れを変えて、アドラー心理学らしい話をします。
ここ数回は、アドラー心理学ではあまり伝えられていない「夢解釈」がテーマです。
アドラー心理学による夢解釈として最もまとまりのよい記述が『どうすれば幸福になれるか 上・下』(W.B.ウルフ著、岩井俊憲監訳、一光社)下巻第7章にあります。

アドラーの通訳を務め、アドラーの本をドイツ語から英語に訳し(『人間知の心理学』)、アドラーから「My son」と呼ばれていたウルフは、アドラーの夢に関する発見を次のように記述しています。
「現代心理学によるもっとも重要な発見の1つは、アルフレッド・アドラーによる『夢は人生の過程で起きる説明不能かつ偶発的な現象ではなく、個々人が安全と幸福の目標に到達するための訓練で使う貴重な手段である』という発見である」(P.28)
さらにウルフは、夢に関する重要な点 を次の8つのまとめています。
1.夢は、幻想的なことばで書かれた隠喩である。
2.夢は、しばしば問題解決の予行演習となる。
3.夢は、視覚のプロセスであるから、夢が象徴的に伝えようとするものは、視覚的なことばで表現されなければならない。
4.夢に関して重要なものは、その映像的な内容ではなく、力動的な内容である。
5.夢の目的は、夢の隠喩を禁制を加えずに使って、情動的な気分を時として作り出すことである。
6.夢の内容を忘れてしまうわけは、夢は呪文をかけて作り出した幻影であって、そんな呪文を詳しく調べなくともよいからである。
7.人間の生き方の動的パターンについて多少でも知識がなければ、夢を解釈することはできない。
8.夢を解釈したからといって、心の病気を治すことは決してできない。
次回からは、実際の夢をもとにその解釈が簡単にできる方法を伝授します。 あなたも夢とのつき合い方が楽しくなり、夢から重要なメッセージを受け取れるようになりますよ。 お楽しみに。
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