見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

バンクーバー五輪・プルシェンコ(男子フィギュア)にハマる

2010-03-02 23:45:14 | 見たもの(Webサイト・TV)
 2月後半は風邪のせいで、家に帰ると、ぐだぐだ怠けていることが多かった。テレビをつけると、毎日、バンクーバーオリンピックのニュースが流れていた。日本人がいちばん注目していたのは、女子フィギュアの浅田真央とキム・ヨナの対決だと思うが、私は、その少し前、男子フィギュアにハマってしまった。びっくりしたね(自分に)。北京オリンピックのときも書いたけれど、私がオリンピックにワクワクしたのは小学生まで。成人してからは、スポーツ競技にほとんど関心がなかった。4年前のトリノ五輪で荒川静香が金メダルを取ったときも、ふーん、というくらいで、何の感慨もなかったのに。

 事の発端は、銀メダリストのプルシェンコが「五輪王者が4回転ジャンプの跳び方を知らないならば、男子シングルではなくアイスダンスに名前を変えなくてはならない」と、4回転回避で金メダルを獲ったライサチェクに(というか、むしろ現行の採点システムに)はっきり不満を表明している記事(産経2010/2/19)を読んだことだ。うわー言うなあ、とびっくりした。私は、言いたいことをはっきり主張する人間が好きだ。もちろん、自分に返ってくるバッシングやリスクは承知の上だろう。

 さて、ここからである。プルシェンコのことを何も知らなかった私は、ネットで検索してみた。そうしたら、『YouTube』『ニコニコ動画』で、出てくるわ、出てくるわ…。告白すると、最初に見たのは2001年のエキシビションの”肉襦袢”演技で、常識を飛び越えたエンターテイナーっぷりが大好きになってしまった。それから、2006年、トリノ五輪の金メダル演技(ニジンスキーに捧ぐ)を見て別のショックを受けた。これは凄い。敢えて形容するなら、オーディエンスの人生を変えてしまうくらいに凄い。もはや点数化して競えるスポーツの範疇ではないと思う。さらに遡って、2002年、ソルトレイク五輪では、体調不良を押して、キレまくりのカルメン(銀メダル)。エキシビションでも同じカルメンを滑る意地っぱり。2002年(銀)→2006年(金)→2010年(銀)の表彰式の映像もちゃんと残っていて、比べて見ると、あまりにも表情が素直で、可笑しくてしかたない。またそれを見逃さない人々がたくさんいるのも楽しい。

 ほかにも、競技会、アイスショー、インタビューやドキュメンタリーふうの映像も多数、動画サイトに上がっていて(世界中のファンが録画を"提供"したらしく、さまざまな言語が聞ける)、このところ、リンクを渡ってはプルシェンコの動画を見まくっていた。このひとは、見れば見るほど、もっと見たいという気持ちを掻き立てられて飽きない。バンクーバー五輪では、浅田真央にキスをせがんだとかで、最終日まで日本のマスコミで話題になっていた(産経2010/3/1)。本当に何をやっても許される、愛すべき天才である。

 プルシェンコは、4年後のソチ五輪にも出ると言っているらしいが、どうだろうか。全盛期と同じ滑りは期待できないと思うけど、天才が、衰えていく肉体に抗して、どんな演技を見せてくれるのか、ぞくぞくと息苦しくなるような興味がある。

 それにしても、『YouTube』『ニコニコ動画』のような動画サイトのおかげで、私のような"にわか"ファンでも、5年前、10年前の動画を簡単に見ることができてしまう、この状況もすごいと思う。私は、著作権法を避けて通れない仕事をしているので、テレビ録画のアップロードが「違法」(公衆送信権の侵害)であることは百も承知だ。しかし、もし遵法精神に基づいて、動画サイトを避けていたら、人生の愉しみをどれだけ捨ててしまうことになるか…困ったものだと思う。内田樹さんが「みんながやっている非合法はほとんど合法である」という御都合主義の「危険」を指摘しているのを読みながら、この点だけは、ためいきをつくしかなかった。
コメント (1)
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