見もの・読みもの日記

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姿を伝える/科博の標本・資料でたどる日本の哺乳類学の軌跡(科博)

2023-08-15 23:17:17 | 行ったもの(美術館・見仏)

国立科学博物館 企画展『科博の標本・資料でたどる日本の哺乳類学の軌跡』(2023年4月25日~8月16日)

 2023年が、日本で初めて哺乳類を研究する学術団体(日本哺乳動物学会→日本哺乳類学会)ができて100周年の年であり、日本の哺乳類が世界に紹介されるきっかけとなったシーボルト来日の200周年の年であることを記念して、国立科学博物館の哺乳類標本と関連する資料を用いて、我が国の哺乳類研究の歩みを紹介する。4月から始まっていた展覧会だが、お盆休みにようやく見てきた。分かりやすくておもしろかった。

 キーパーソンは似顔絵パネルで登場。日本の哺乳類をヨーロッパに紹介したシーボルト、Mammaliaを哺乳類と訳した宇田川榕庵に続いては、やっぱりこの人、田中芳男。

 動物学者の高島春雄は「世界三大珍獣」の提唱者。ジャイアントパンダ、オカピ、コビトカバをいう。オカピ(キリン科)の剥製は、見上げるくらいデカい。

 蜂須賀正氏(まさうじ)は、探検家、狩猟家? 鳥類学者には入るのかな。クセの強い人物で、久しぶりにWikiの記述をじっくり読んでしまった。

 剥製師の本田晋さん。こういう技術者の存在を知ることができたのも大変よかった。

 哺乳類は形状がさまざまなので、標本の蒐集・保存が重要である。完全な剥製を制作するコストをかけらないときは、骨格と畳んだ毛皮を別々に保存するとか、縫い合わせた毛皮に損充材(綿や板)を詰めた仮剥製をつくるとか、いくつかの選択肢があるそうだ。

 最後に本展の監修者である川田伸一郎さん。背後の衣装ケースは、ばらばらの状態で保管されている骨格標本で、キリン1個体だと、衣装ケース4~5箱に収納するという。

 こちらは、アマミノクロウサギなど小型哺乳類の仮剥製。襟巻みたいで、モフりたくなる。

 久しぶりに常設展示の標本も見ていきたかったのだが、親子連れで大混雑だったのであきらめた。また空いている時期をねらって来ることにしょう。


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