見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

寒波京都旅行:東山、美術館など見て歩き

2011-02-17 22:25:23 | 行ったもの(美術館・見仏)
建仁寺両足院(東山区小松町)

 初日、京都国立博物館のあと、「京の冬の旅」で特別公開中の同院を訪ねた。お目当ては、長谷川等伯の『竹林七賢図』と伊藤若冲の『雪梅雄鶏図』。どちらも美術館で見たものだけど、現地で見てみたかったのだ。初公開をうたった秘仏・毘沙門天像は、黒田長政が兜に付けていたとか。わずか7センチほどで、遠目にはほとんど実体を確認できず。

清水三年坂美術館 企画展『鉄鐔の美 partⅡ ~肉彫鐔 驚異の鉄彫刻~』(2010年11月26日~2011年2月20日)

 以下は3日目。比較的、人の少ないシーズンオフを幸い、朝からニ年坂~三年坂の超メジャー観光スポットを散策する。幕末・明治の工芸品(金工、七宝、蒔絵、薩摩焼など)を常設展示する同館には、来るたび驚かされるが、今回の鉄鐔(てつつば)もすごかった。鉄鐔は溶かした鉄を型に流し込んで作っていると思っている人が多い。しかし実は「鏨(たがね)と金鎚を使って彫刻して作ったものである」という説明に、我が目を疑う。古いものは、鉄板に線彫りや浮き彫りを施す程度だが、次第に透かしが多くなり、精巧に、立体的になっていく。デザインが精巧になるほど、鍔の厚みが増していく。余談だが、大河ドラマ『風林火山』では、山本勘助が刀の鍔を眼帯にしていたが、幕末の鍔では重すぎ、大きすぎるように思った。大小セットの小さいほう(脇差用)なら使えるかも。

河井寛次郎記念館

 五条坂下の旧宅を利用した記念館。素焼き窯や登り窯も設置されている。申し出て記帳すれば、館内写真を撮ることもOK。興奮してたくさん撮ってきてしまった。のちほどフォトチャンネルに載せます。 

白沙村荘 橋本関雪記念館

 今回の旅行の最大収穫「筆墨精神」に立ち戻り、篆刻家・園田湖城との交流も深かった橋本関雪の記念館へ。広い庭園には多数の石塔。記念館では、王鐸や張瑞図の書、石濤の梅花図巻などを見ることができた。どうして手に入れたのか、石濤の遺印(印紐は酔李白の像)があったのにはびっくり。湖城作の印も多数あり。

法然院(左京区鹿ヶ谷御所ノ段町)

 最後に、前の晩に思い立った法然院に立ち寄る。通常「非公開」ということもあって(境内は自由)、これだけ京都に通っていても、一度も訪ねたことのないスポットだった。観光ルートの哲学の道から少し坂を上がって、樹木の多い山裾に近づく。京都というより、鎌倉の雰囲気に似ている。目的は、内藤湖南先生の墓参りだったので、墓苑を探して、きょろきょろする。銀閣寺側(北)から近づくと、本堂の反対側、南側が墓苑である。どこにも案内板はないし、果たして見つかるだろうか…とあやしみながら墓苑の中を突き当たりまで進み、折り返して別の道を戻ってくる途中で見つけた。



 目印としては、墓苑の入口にある大きな石塔(江州阿育王塔=近江の石塔寺の塔に倣ったもの)の右奥にある短い石段を上って、そのまま進むのが近道。九鬼周造の墓があり、その2つ先が湖南の墓である。今年は1年間、「関西中国書画コレクション展」でお世話になります!と挨拶して、手を合わせてきた。

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