見もの・読みもの日記

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道教の神様たち/博物館に初もうで+常設展(東京国立博物館)

2025-01-31 23:13:38 | 行ったもの(美術館・見仏)

東京国立博物館 特集『博物館に初もうで-ヘビ~なパワ~を巳(み)たいの蛇(じゃ)!-』(2025年1月2日~1月26日)

 1月も最終日となってしまったが、新年の東博初参観の記事をまだ書いていなかったので書いておく。今年は京博の『巳づくし』展が先になって、そのあと、東博を見に行った。

 干支の特集展示は、ナーガ上のブッダ坐像(タイ)とかパイワン族の祖霊像(台湾)とか、日本以外の造形が目についた。つまみが蛇になっている『金印 漢委奴国王』も出ていて、ホンモノ?!と思ったら、さすがに模造だった。「ヘビは中国の後漢から見た南方の異民族を示しました」という解説には納得。

 関東では弁財天といえば江ノ島だが、北条時政が子孫繁栄を願って江ノ島の岩屋に参籠すると、弁財天が現れ、時政の願いを叶えることを約束して、大蛇となって海に消えたと言われている。北条氏の三つ鱗文の由来でもあるのだが、長い目で見ると、この願い、叶ったような叶わなかったような…。

 私がいちばん目を奪われたのは『天帝図』(元~明時代)である。中央には道教の神様である玄天上帝。足元に玄武(絡み合った亀と蛇)を描くのがお約束。背後には、北斗星の旗と剣を持った二人の従者が控える。前方には、関元帥(関羽、赤面)、黒衣の趙元帥(趙公明、黒面、黒虎に跨り金鞭を持つ)、馬元帥(馬霊耀、白面、華光大帝→黄檗宗では華光菩薩)、温元帥(温瓊、青面、温太保とも)の四元帥が従う。狩野探幽、徳川吉宗の蔵を経て、霊雲寺に伝わったという。「霊雲寺」という文字を見て、2023年の『中国書画精華』で見たことを思い出した。全体画像は当時の「1089ブログ」に掲載されているので、私の好きな部分を挙げると、まずはこの、応援団の団旗みたいにデカくて黒い北斗七星の旗。

趙元帥の足元にうずくまるのは黒虎(黒豹?)。ウナギイヌみたいでかわいい。

 道教の神様は設定が細かいので、調べれば調べるほど面白い。

 もうひとつ、楽しかった特集は『拓本のたのしみ-明清文人の世界-』(2025年1月2日~2025年3月16日)。碑拓法帖と明清時代の文人による関連資料を展示し、書の拓本に魅せられた明清文人の世界を紹介する。台東区立書道博物館との連携企画を名打っていたが、三井記念美術館『唐(から)ごのみ』と共通・関連する作品も多かった。


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