ハシゴ谷(たん)乗越から剱沢へ下る途中から、真砂沢ロッジと剱沢雪渓の取り付き点が見えたが、雪渓下部が崩壊している状況を確認。 内心、雪渓上の登高は無理で巻道を行くのかなと感じた。
昨夜の夕食時、オーナーより「明日はどちらに向かうの?」と聞かれ「剱沢から剱へ」と答えたら「アッ一般道ね。」と
軽く流されてしまった。 と言うのもロッジで御一緒した方々は、日本山岳会の方や若い頃登山競技でインターハイに参加された方などで全国の山全般について非常に詳しい方々でした。
オーナーからすると私達は素人の部類でした。
山岳会の方は2名で今日、八ッ峰を登り長次郎谷を下ると話され、早立ちで自分達が起きた時には姿は無かった。 八ッ峰はクライマーの方々の岩峰であり、一般は入れないので地図上にもコース表示はありません。
また、年配の方々は剱沢を下り、池ノ平山に登り池ノ平小屋に泊まられるとの事でした。皆さん山の事については非常に詳しい方々で、楽しい話を沢山聞かせて頂きました。 真砂沢ロッジ遠望
ロッジのオーナーも食事の準備時はお忙しいのですが、それが過ぎると私達の相手をして下さり、剱沢雪渓の現況とコース取りについて、また雪渓を登ったら、すぐ剣山荘で宿泊予約をし荷を軽くして剱へ行きなさいと助言を頂きました。 オーナーは
佐伯成司(さえきまさし)
さん。 現役バリバリのクライマーで海外遠征もされるようです。
佐伯さんが小屋のオーナーになって2012年で10周年を迎えたそうです。 小さな小屋でも皆さんに気持ち良く過ごしてもらいたいと物静かで小屋経営には、とても熱い方でした。
ロッジの看板に書かれているインゼルハオス(InselHaus)とはドイツ語で『中洲の家』と言う事だそうです。
オーナーに見送られ7時、ロッジを後にした。 長次郎出合の分岐あたりまでは雪渓の状態が悪く、滝となっている所が有り左岸を高巻して、滝上部よりクレバスやスノーブリッジに注意しながら雪渓に取り付いた。
雪渓も窪みは先が見渡せるので状況把握は楽だが、山状になっていると下からの状況把握が出来ず慎重に歩を進め、目の前でクレバスに気付き遠回りをしたりとコース取りを慎重に行った。
朝から天気は最高で気分もハイ。 平蔵谷そして雪渓上部の武蔵谷が迫る辺りは、雪渓もしっかりしており、快調に高度を稼いた。
左岸には徐々に剱が大きく迫り、見上げると別山尾根の稜線が青空の中にクッキリと見えた。 技術が有れば谷を登り、一気に別山の稜線に出られそうに感じた。
雪渓は、ほぼ最上部まで登った後、右岸の登山道に移り、途中にV字型の分岐があり右手の剣山荘に向けに登高する予定が、足元ばかり見ていたらウッカリ見落としてしまい剱澤小屋経由で剣山荘を目指した。 剱沢小屋から剣山荘向かう登山道からの剱岳(2,999m)の山姿は素晴らしかった。
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