黒石温泉の宿を7時50分に出発し、八甲田ロープウェー山麓駅に向かい、9時に到着した。
久し振りと思える青空が見え、今日こそは 晴れのみちのく八甲田山を歩けるのが楽しみであった。 三連休の最後の日であり、天気予報も晴れとなっていたので沢山の観光客や登山者が出るものと予想した通り、駐車場は満杯となっていた。
八甲田ロープウェーは始発が 9時丁度からの運行であり、秋の行楽シーズンは臨時運転が行われ定員 101名のゴンドラで次々と山頂公園駅へと運んでくれた。
八甲田とは、十和田八幡平国立公園の北部に横たわる連峰の総称で、主峰の八甲田大岳(1584m)を中心に、10余りを数える山々から構成されています。 いたるところに湿地帯が見られ、高山植物の宝庫となっており、春から秋にかけて登山者で賑わいを見せる素晴らしい所であります。
9時40分、山頂公園駅で登山準備を済ませ出発。 最初は田茂萢(たもやち)湿原に向かった。
山頂公園駅前の広場からは、昨日山頂付近で突風と霙(みぞれ)や雹(ひょう)にたたかれ登頂をせず撤退した岩木山が遠望できた。 あと僅かの距離まで登り、残念であった。
湿原の周りは熊笹やナナカマド、ミヤマハンノキなどで覆われ、内側の湿原は一面がベージュ色になっているので、遠くから眺めるととても綺麗に見えます。 湿原地帯は木道が整備されているので歩き易く、道に迷うこともありません。
歩きながら、これから向かう赤倉岳、井戸岳、大岳を眺めると薄っすらと霧氷なのか?雪なのか?薄化粧をしている様子が伺えた。 そして風の出ないことを祈った。
10時半で湿原歩きは終了し、赤倉岳への整備された階段状の登山道に取り付く。 斜度も緩く楽な登りである。 登り詰めていくと霙らしきものが落ちてきた。 樹林帯を抜ける前に全員合羽を着用した。
樹林帯を抜けたら、天候は一気に急変していた。 昨日の岩木山山頂付近の状況と同様になってきた。 強風雪である。 顔にたたきつけるものは昨日ほどではなかったが風の強さが半端ではなかった。
赤倉岳、11時通過。
身に着けているものは飛ばされないよう、お互いに声を掛け合い注意した。 ザックカバーがザックより大きいのは、はためくを通り越してバサ、バサと大きな音をたてていた。
合羽のフードも突風で外れると、強烈な突風が顔に当たり、直そうとしていると手や指の感覚が消え力が入らない。 八甲田山雪中行軍の思いが頭をよぎった。
井戸岳、11時25分通過。
井戸岳と大岳の鞍部に大岳避難小屋があるので、皆で頑張った。 本来であれば 15分ほどで歩けるコースが倍の時間かかった。避難小屋着12時。 沢山の登山者が逃げ込んでいたので、座るどころか立っても中に入るのがやっとであった。 運よく出発されるパーティーがあり、その空いた所で昼食を済ませた。 皆さん昼食をしっかり取られ、元気そうであったのでホッとした。12時半出発。
外気温はマイナス、稜線上では突風が吹きまくり体感温度は更に下がるので、主峰の大岳は諦め上毛無岱(かみけなしたい)から下毛無岱という湿原を経由して酸ヶ湯温泉に下山することにした。
晴れていれば湿原の紅葉が綺麗に見られただろうが、ブリザード(雪嵐)にたたかれ、寒い思いが強く感動する気分ではなかった。
14時55分、酸ヶ湯温泉の駐車場が目に入った時は、皆さんが無事に下山できたことにホッとした。
酸ヶ湯温泉到着、15時。 天候の急変による山行は、皆さんの良い経験になったことと思います。本当にお疲れ様でした。
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