地元の宝の山から、日本の古代の史跡として注目を集めている「城の山古墳」。この発掘作業が佳境を迎えている。
昨日から出土した副葬品のうち、太刀や鏡、矢じり、そして古代史ファンに最も注目を集めている矢を入れる武具「ゆき」の取り出し作業が始まった。(写真上:古墳のお棺部分に入って取り出し作業)
奈良の文化財研究所から専門家を招き、二日間かけて行われているが、慎重の上にも繊細な作業。傍らで見ている我々も息を潜め、ついつい力が入る場面もしばしば。遺物の周りの土ごと掘り出し、ウレタンで固めるという近代的な技術も使われている。
取り出したものを大事に大事に刷毛でなでながら、霧吹きでまんべんなく水分をかけながらペーパーで覆う。まるで外科の手術のようにも見えなくもない。(写真下:刀と鏡の取り出し・養生作業)
そりゃ、1700年ぶりに目ざめたお宝だから、「お疲れさま」と声掛けながら、敬意と愛を注いでいるに違いない。さあ、これからが本当のお目覚めのための作業に入るが、慎重に時間をかけて21世紀に復帰してもらうことになる。