

お盆の休みの暑い日、以前から気になっていた近場の土木遺産を見に行くことにする。近場といっても山形県だから、クルマを走らせると1時間半くらいかかる場所。
今回ご紹介するのが、山形県の母なる川で、最近は大雨による堤防越水被害などでも話題なった「最上川」かかる橋梁。「最上川橋梁」は3か所あるが、今回紹介する最上川橋梁は山形県置賜地方を走る三セク路線「山形鉄道フラワー長井線」の終点・荒砥駅に近い場所にあるもの。(写真上:県道11号の荒砥橋のすぐ上流側にかかる最上川橋梁(荒砥鉄橋)。)


山形鉄道フラワー長井線は、南陽市の赤湯駅から終着駅である白鷹町・荒砥駅(写真上)までの30キロほどの路線。一日に12往復列車が運行する。
国鉄分割民営化により、1988年再スタート。旧国鉄の長井線を引き継いだ路線で、いわゆる上下分離方式(鉄道事業運営と施設の所有を分割する方式)で、地元自治体によって支えられている。
そう、映画・スウィングガールズに登場し、スウィングガールズラッピング車(今も走っているだろうか?しばらくお目にかかってない。使用車両のYR−880形は新潟生まれ。)やキャラクターラッピング、奇抜なイベント列車(車内でプロレスを開催したこともあった)やツアー列車、グッズ販売などでも知られている。


さて、注目の橋梁は、ダブルワーレントラス橋という珍しい構造で、しかもフラワー長井線とJR左沢線で使用されているものが国内最古という貴重なもの。(橋梁自体は、200フィートのダブルワーレン3連とプレートガーダー10連。)
明治期に東海道本線の木曽川橋梁として使用されたものを移設して、大正期に最上川橋梁として架け替えられたもの。なので、100歳。木曽川時代からだと130歳。もちろん土木学会の選奨土木遺産。
地元でもこの近代文化遺産をまちおこしに活用したり、高校生による研究会ができたり、フラワー長井線とともに可愛がられているようです。
もう一つの左沢線「最上川橋梁」は?実は3か所のうち今回紹介したフラワー長井線とJR左沢線の2か所ともダブルワーレントラス橋で、左沢線まだ拝んでいません(乗車して通ったことはあるが、記憶にない。)。こちらもいずれご紹介します。お楽しみに!