さてさて、信濃川水系に少し入れ込み過ぎの感がある昨今であるが、最上川に目を向けなおしてみよう。(といっても、結局川や橋のネタになるのだが…)
先月紹介した「最上川橋梁」の続編(前回は8月24日の記事参照)。
吾妻連峰の天元台スキー場付近を水源にする最上川にかかる「最上川橋梁」は3か所あって、上流からフラワー長井線・西大塚駅東側のガーダー橋、前回紹介した々フラワー長井線の終点・荒砥駅付近のガーダー&トラス橋、そして今回紹介するJR左沢線の中山町と寒河江市の境界となる最上川にかかるトラス橋の3か所だが、下流二つの橋は、同じ木曽川橋梁から移設された「ダブルワーレントラス橋」を使用するという、まさしく双子橋。国内では、現役最古で、いずれも土木学会選奨の土木遺産である。
上の写真を見ても分かるとおり、プラットトラス橋が3連(羽前長崎駅寄り)とダブルワーレントラス橋5連(南寒河江駅寄り)のもの。プラットトラスも九州から移設されたもののようだ。
前回紹介した最上川橋梁と同じく、製造から130年、この地に移設・架橋されてから100年を超える双子のお爺ちゃんってところ。現在では製造されていない錬鉄製の材質と、ダブルワーレンピントラスという構造も注目すべきところ。
橋台には、しっかりと「近代化産業遺産」、「土木学会選奨土木遺産」と表示された説明板が設置されていました。(写真下)川の土手から、結構近くで見ることができるし、河原からは説明板のほかその構造なども間近に見ることができるってこともまた特徴かな?
JR左沢線は、山形駅(起点としては北山形駅)と山形県大江町にある左沢駅を結ぶ営業距離24.3キロの盲腸路線。「フルーツライン左沢線」との愛称がつけられている。沿線はサクランボなどの果物の産地だ。
最上川沿いを遡って、もう一つの最上川橋梁があるフラワー長井線と結ばれる計画もあったが、実現しなかった。そういうローカル線多いですよね。
使用車両はキハ101形という100形をベースにした新潟生まれの左沢線専用車両。でもローカルと言っても朝夕の混雑時には6両編成という時もある。キハ100の系統だから当然前後に運転台があり、それが6両つながって走るというのも珍しい。
いずれにしても、橋も線路も車両も沿線住民のために「長生きしてください」とエールを送るとともに、これらを守り続ける鉄道関係者と地域の方々に敬意を表したい。