前回紹介した「ころり三観音」、三つ目の西会津町にある「鳥追観音」を参拝した後の話になる。境内の駐車場からクルマを出しUターンさせようと、僅かばかり道路から奥手の広場までいった時の話である。
広場の片隅に、何やら鉄道車両のようなものが展示されている。ラッセル車だ!屋根がかけられているので保存車両であることは確かだが、あまりに無造作に置かれている。
クルマを止めてみてみると、前方にロータリー車、後方に法にラッセル車が展示されていた。こんなところに?かなり年代モノの風格というより、傷みが激しいように見える。
除雪用車両の形式はよく分からないが、「キ621」と「キ172」の組み合わせで、かなり貴重なもののようだ。上の写真の説明書きにもあるように、新潟県内や磐越西線・米坂線などで活躍していたらしい。
ラッセル車は単線用のもので、線路の両側に雪をかき出す方式。昭和14年、秋田生まれ。マックレー車(線路サイドの雪の壁を崩して雪をかき集める車両)との説明があるが、正式にはマックレー車は展示されていない。
ロータリー車は、ロータリー方式で雪を吹き飛ばすもの。キ600形の改良で5両製造、戦後の大阪生まれ。蒸気機関で動いている。昭和46年に坂町機関区に配置されたとあるので、もしかしたら見たことあるのかも?
説明書きに「キマロキ編成」とある。聞いたことのない言葉だったが、調べてみると、「キ」は機関車、「マ」はマックレー車、「ロ」はロータリー車、そして最後尾にもう一度「キ」で機関車だという。
豪雪時に、前述の線路沿いに積まれた雪の山がその後の除雪の支障になるため、除雪(排雪)するために編成される、いわば特別な除雪隊編成。前後にラッセル車を付け足したり、作業員を乗せる車掌車を組み入れたりすることもあったようだ。
「キマロキ編成」は北海道でしか保存されていないようだが、「ラロ」が並んで見れるというのは北海道以外ではここだけだそうで、とても貴重。ラッセル車だけなら、日中線記念館(旧熱塩駅)の方が保存状態はいい。(日中線記念館のキ287=第二世代なので戦後生まれで若いこともあるが、その点からもキ172は貴重なのかも。)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます