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「地獄でなぜ悪い」 PG12 園子温監督 ××× PPハイライトほか
ヤクザの組長(國村隼)が自分のために刑務所に入った妻が10年ぶりに出所するお祝いに娘(二階堂ふみ)を主役にした映画を制作することになります。そして、10年前から「一生に一本誰も撮れないような映画を撮る」と夢見ていた青年たちと「映画の神様」のおかげで出会います。感動の名作ができるはずでしたが・・・。そこはあの園監督です、甘い物語になるはずはなく、血みどろの作品になりました。
前半は映画好きのグループのようすとそれに並行してやくざ同士の抗争をコメディタッチで描き、今までの園作品とは雰囲気が違うなあと思わせてくれます。終盤でのやくざの殴り込みをライブで撮影するという前代未聞の映画制作は現実にはありえないお話ですが、映画を愛する監督のひとつの映画への愛の形なのでしょうか。堤真一は今後マジな役の出演依頼が来なくなるのではないかと心配になるほどコミカルな演技がさえていました。ところで監督の身内に血糊屋さんがいるのかな。PG12とはいえ、首や手が飛んだりと、かなりドバドバでした。
タバコは、やくざのみなさんが喫煙(×)。組長役の國村隼が喫煙(×)。趣のある映画館の映写技師役のミッキイ カーチスが葉巻を数回(×)。フィルムって燃えやすいのに映写しながら喫煙するのは本当に映画を愛しているとは言えない行為ですね。