「屠場を巡る恋文」 久保田智咲監督 × (YIDFF)
イヌが好きで動物愛護関係の作品を撮りたかったが、ビーガンの友人から「動物が好きなのに何故肉を食べるのか」と問われます。そこで初めて、動物を殺して肉にし、そのことが差別につながるということを知り、興味を持ちました。というのが監督の言葉でした。
なかなか取材させてくれるところが見つからず、やっと首都圏の「屠場」ではなく「ミートカンパニー」が応じてくれたそうです。スーパーに並ぶパックされた肉からは想像できない差別という前近代的な事実がまだ存在していることに社会のゆがみを感じます。
タバコはインタビューに応じた労働組合の委員長が常にタバコを吸っていました(×)。差別と戦っていながら、タバコ会社という権力に利用されていることに気がつかないのはいったいどうしてなのでしょう。労働運動の経験のある筆者としては、未だに組合関係者に喫煙者が多く、その実態が全く変わっていないのが心より残念でなりません。「目覚めよ!労働者」