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「ジプシー・バルセロナ」 エヴァ ヴィラ監督 西 × (YIDFF)
原題の「バサリ」はロマ語でバルセロナの意。現在ではほとんど使われていません。「ジプシー」と訳すことには筆者は抵抗を感じてしまいます。
内容ですが、ロマの女性フラメンコダンサーと5歳でダンサーを目指す少年の2人に視点を当て、それぞれのフラメンコに対する日常を描いています。伝説のフラメンコダンサー「カルメン アマヤ」の孫のダンサーは、新チームでのステップを準備します。ダンサー、歌い手、ギタリスト、パーカッションそれぞれの思いをひとつにするのでした。一方、5歳の少年は昔の映画の歌手の姿や父親からフラメンコを学ぶのでした。この子の真剣な眼差しは見る人を引きつけます。
「踊り」はどの世界でも基本的には「神仏への貢ぎ物」ですが、二人の真摯な姿に、フラメンコも単なるダンスというよりは神聖なものと感じさせました。
タバコは、練習中でも喫煙していて直接タバコが映る場面は少ないものの煙がたびたび映っていました。その点ではプロとして甘いと言わねばなりません(×)。