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「利休にたずねよ」 田中光敏監督 ○
原作は山本兼一の直木賞受賞作品です。
秀吉の怒りを買って切腹を命じられた利休(市川海老蔵)の姿から始まり、過去へとさかのぼって行きます。信長(伊勢谷友介)に重用され、秀吉(大森南朋)からは愛されそして憎まれもします。そして、利休の美への審美眼を育てた謎の恋物語を明らかにしていきます。
夫には想い人がいることを知っていながら、「私のようなものが妻になってよかったのでしょうか」と問いかける妻役の中谷美紀が微妙な役所を好演していました。また、利休になる前のやんちゃな若旦那だった頃の海老蔵が歌舞伎役者らしいメリハリのある動きで魅力的でした。
タバコはなし。無煙です。ちなみに「一服」はお茶のことです。元々はタバコのことではありません。
印象に残った場面は、荒波が打ち寄せる海岸線です。利休の人生を象徴的に表現しているのではないでしょうか。