
「ひとよ」 PG12 白石和彌(しらいし かずや)監督 ☓☓☓
「劇団KAKUTA」が2011年に初演した舞台を映画化しました。「ひとよ」は「一夜」の意です。
タクシー会社を営む稲村家の妻こはる(田中裕子)は子どもを夫の暴力から守るため夫を殺害し、「15年後に戻ってくるけれどそれまで自由に生きなさい。」と言葉を残し、警察に出頭します。
そして15年後、長男の大樹(鈴木亮平)次男の雄二(佐藤健)娘の園子(松岡茉優)は、なんとかそれぞれの生活を営んでいました。そこへ、母が帰ってきたという連絡が入り家族が揃います。素直に喜びきれないものの長男と娘は母を受け入れますが、次男は大きなわだかまりを抱いていました。家族は再生することができるのでしょうか。
裁判のことは全く触れていませんが、素人判断では、情状酌量、執行猶予で済まなかったのか、大きな疑問が起きます。また、雄二一人が悪者で、周囲の人々が優しすぎるのもちょっと現実的ではないような気がします。本当にこの映画のように周囲が優しければ犯罪者の更生ももっと進むと思いますが・・・。そういう点では佐々木蔵之介の存在が現実的で光っていました。
タバコは、白石監督ですからタバコが出ないわけがなく、兄弟3人が揃って喫煙する場面を設定するとは・・・でした。あるインタビューで主演の佐藤健は「汚れた人格」を演じるため予めタバコを吸って体の内部から汚して撮影に臨んだそうです。たしかに眼とか肌とか汚かったです。俳優って大変ですね。きれいな体に戻すのは結構時間がかかりますよ。
タバコネタでは、タクシー会社の事務所内に「車内の匂いに気をつけましょう。」という内容の張り紙がありました。タバコはもちろんですがタバコ臭を消すための消臭剤の匂いも困ります。