many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

恋とはどういうものかしら?

2010-07-17 19:45:20 | 岡崎京子
岡崎京子 2003年 マガジンハウス
ということで、きのうの続き。
「砂漠王子と砂漠王女」をはじめ(?)、未収録作品24篇をまとめた単行本。
コンテンツは
「SLEEPLESS DOG NIGHT」
「東京・ラヴァーズ(1)ジェラシーのスイッチ」
「東京・ラヴァーズ(2)グッバイ マイ マン」
「東京・ラヴァーズ(3)ブランニュー デイズ」
「ピンク・ガールズ・ブルース」
「いつか、あなたの椅子を買いに行こう」
「東京は朝の7時」
「ねえ、女の子って何でできてるの?」
「恋愛に限界はあるのか?」
「素敵な時間」
「恋のワンダー・ウルトラ・スーパー・ガール」
「砂漠王子と砂漠王女」
「我買うゆえに我有り」
「HUMMING BIRD」
「初恋・地獄篇…またはヨーコと一郎」
「恋人たちI」
「恋人たちII」
「恋とはどういうものかしら?」
「Blue Blue Blue」
「冷蔵庫女」
「みりん星人大襲撃」
「DONADONA」
「にちようび」
それとボーナストラック(?)として
「中華刑事(デカ)・周 夜霧よ今夜もありがとう」

岡崎京子のかく恋愛シーンは、けっこうヘビーだったりします。
エゴイスティックに「好きだ」を表明したりとかって多くて、そんなこんなが引き起こす修羅場っつーか、そういうのがよくあります。

未収録作品を本にしてくれるのは、もちろん、ファンとしてはうれしいような。
でも、本来は(もしかしたら作者の意向で)お蔵入りだったのを、引っ張り出したとしたら気の毒、という気もするような。
出しゃあ売れるからね、ある程度は、間違いなく、計算立つ。やだね、資本主義って。
もし、岡崎京子が健在なら、芸術家の矜持と資本主義について、なんか描いてくれたんぢゃないかと思う。(そういうときは、かえって軽いタッチでね。)
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好き好き大嫌い

2010-07-01 23:07:56 | 岡崎京子
岡崎京子 1989年 JICC出版局
えーと、できたら週に一回は書いていって、並べるのをまとめていきたい「岡崎京子」。
この短編集は、『pink』と同時期に買ったんぢゃないかと思う。
だから、私としては、わりと岡崎京子歴のなかで初期になるのかと。
たしか、この短編集を読んで、ここからさかのぼって、これ以前の短編集を求めていったと思う。
コンテンツは、
「プロローグのようなもの」
「コニーのお留守番」
「さらば愛しき人よ」
「エイリアン」
「老人少年」
「SIX SEX SIXTEEEN」
「ドラドラ息子とエロエロ娘」
「終わらない夏 I II III」
「ねぇ、宇宙って膨張するのかな」
「エピローグのようなもの」

で、けっこう好きです、この短編集。
「エイリアン」のなかの、
神さま神さま いるんだったら(略) でも神様はいなかった 神様のバカヤロウ 舌かんで死ね みたいなフレーズ、大好きです。
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ショコラ・エブリデイ

2010-06-15 22:15:18 | 岡崎京子
岡崎京子 1992年 毎日新聞社
えーと、このブログには、私の持ってる岡崎京子のコレクションを、時系列に並べていこうという企てがあったんですが(あと諸星大二郎もね)、本人の性格そのままで、あっちこっち話が飛びまくってんで、ちっともまとまってきません。
ウチの90センチ幅のひとつの本棚には、一段「岡崎京子の棚」があって、左から右へ年代順に単行本が並んでんですけど。

いま思うに、たとえば、月曜は乗馬、火曜はマンガ、水曜は文学、木曜は社会科学、金曜は音楽、みたいなブログにしときゃよかったな。
そんな計画的に何かができる人間ぢゃないんだけど。

で、これは、『ROCK』のあとだと思います。
4ページ×32話の長編(?)です。双子のミミミとラララが家出して、つぎつぎ事件が巻き起こる冒険談ってとこですが、吸血鬼なりオバケなりが出てくる、マンガチックなファンタジー系です。
例によってテンポよくさらさらと進むマンガなんだけど、いま読んで改めてその後の作品なんかも考えてみると、岡崎京子って、わりと初期のころから、バラバラになっちゃってく家族とか、身内・親友を陥れてでも自分の恋愛対象を奪ってしまおうとする形の愛とか、そういうテーマが垣間見えることがあります。
ま、難しく考えることぢゃないんだが。
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ROCK

2010-01-29 20:12:10 | 岡崎京子
岡崎京子 1991年 JICC出版局
きのうのつづき、っていうか、手塚マンガの名キャラクター「ロック」が出てきたんで、最終戦争系からは脱線して、岡崎京子の「ROCK」。

ロックは主人公の女の子モデルの名前。
手塚治虫のキャラクターであるロックからお借りしたと、著者があとがきで語っています。
ちなみに、ダンナの名前は、アトム。

あとがきにいわく
>このお話の主題(…とゆーほどのもんでもないが)は、「だらしなくいいかげんであるところの人々の愛、その他」というものです。人間とゆうもんはとんでもなくスチャラカなもんですが、「愛」は一種の規律を産み出します。規律、またはリズムのようなもの。

ということで、運命と資本主義と人々の気まぐれな感情に翻弄されながらも、愛ある人生を求めてく、うら若きモデルの物語です(なんのこっちゃ?)。この成り行き任せのスピード感ある流れが結構好きです。

作中には、例によって、数々の名フレーズがありますが、
「男なら 男らしく セキニン とるべきよ!!」と言われたアトムが
『“セキニン・ドリョク・ニンタイ”オレの三大キライなもんのひとつ』
って心のなかでつぶやくとこ、けっこう好きです。
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ジオラマボーイ・パノラマガール

2009-12-16 21:06:47 | 岡崎京子
岡崎京子 1989年 マガジンハウス
えーと、好きなマンガですね。岡崎京子らしくて。
このブログはじめてちょうど1年になるんだけど。
日常の流れゆくままと、過去を掘り起こして、適当に綴ってるだけなんで、一周年記念にすることも何もないんだが。
せっかくなんで、ブログのアドレスである「kanagawa_kun」ってハンドルネームの由来でも書いておこうかと。
「神奈川君」は、神奈川県出身なことからってことにして、もう15年くらい使ってる名前なんだが、実はオリジナルは、このマンガの登場人物なんである。
神奈川建一(カナガワケンイチ)という男の子が出てきて、それと私が似てるわけでもなんでもなく、別の登場人物の女性が、「ハルコさんて “神奈川君”さんて方 好きなんですか?」みたいなしゃべりをするんだけど、その響きが面白かったんで、いただいただけ。
岡崎京子が登場人物に言わせるセリフは、マンガのフキダシならではの表現があって、本作には「駅まで送ります(敬語)」「よく家がわかりましたね(敬語)」みたいなのが出てきて面白いです。一目ぼれした相手なんで、親しくなりたいんだけど、会ったばかりなんで「(敬語)」でしゃべられてしまう、その敬語を何とかしてほしーなーって心理を描いてるのがいいですねー。
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