many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

はっぽうやぶれ

2009-08-26 19:29:57 | マンガ
かわぐちかいじ 昭和59年~昭和62年 全6巻 竹書房
麻雀のつづき。好きな麻雀マンガです。
このマンガの後半が雑誌(近代麻雀オリジナル)に連載されてたころ、自分がよく麻雀打ってたもんで。
物語は、昭和三十年代後半から四十年代前半にかけてが舞台、阿佐田哲也がモデルの作家がつくる「麻雀新撰組」に参加する花島タケオ(小島武夫がモデルと思われる)という博多出身の雀士が主人公。
あたりまえだけど、毎回麻雀で戦う場面があるんですが、それがけっこう面白い。特に主人公が、ただ勝つんぢゃなくて、ギャラリー受けする打ち方をするってキャラなんで、当然マンガとはわかっていても(ってことは御都合主義でどうにでもなるって意味なんだけど)、勝負の展開が面白いわけです。
で、最終的には、そうやって魅せる麻雀を目指す主人公と、確率重視で堅い麻雀を打つライバルとの勝負になるんですが、デカイ手を狙っていくのと、安くてもアガッて守りは固くするのとでは、はたしてどっちが勝利を得るかっていうテーマは麻雀マンガとしては基本であって究極でもあるんで、面白いっす。
ちなみに、著者かわぐちかいじは、あとがきにおいて、ひいきの広島カープの野球選手のなかから、エキサイティングな高橋慶彦、チームのためには己の我を殺すメカニックな山崎隆造をあげて(しかし古い名前だね、今となっては。私はリアルタイムで知ってるからわかるけど)、どちらも凡人離れしているプロであり、それぞれの個性に徹して見せてくれるプレーを期待していると書いて、そういうことを麻雀マンガとして描いたと言ってます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

麻雀放浪記

2009-08-25 12:56:08 | 好きな本
阿佐田哲也 (何年だっけ? いま手元に実物がない)
きのうの続き。まわり将棋(「金」を4枚振って、出た数で駒を進めるゲームね)において、囲碁棋士が自由自在に好きな数を出せるっていうんだけど、それで思い出した。思ったようなサイコロの目を出せるかどうかって話が「麻雀放浪記」にあったなーと。
名作の誉れ高いこの小説なんだが、テレビで映画化された作品を何回目か観たときに、ちょうど自分が(誰でも一度ははまるように)麻雀にはまってたんで、原作を読んだんだと思う。
サイコロっつーと、小説も映画も冒頭にチンチロリンの場面があるんだが、これはイカサマの話、細工のある賽を振るんだが、まあ、それは本筋とはちょっと違うんで、どうでもいい。
もひとつ重要な場面は、かの有名な「2の2の天和」。コンビで技をかけるのに、2の目(サイコロは二つだからピンゾロ)を出さなきゃいけないってとこのほうが面白い。
この仕掛けの話のなかで、サイコロの目は出せるかって聞かれた主人公(坊や哲)が、七なら出せるって答えると、七は誰でも出せるって(出目徳に)たいして感心してもらえない。
7が出やすいのは、おそらく確率も一番高いからだと思われる、サイコロ二つ振っての2や12は36分の1だけど、7は36分の6だし。
で、どうやって、さらに正確に七を出すかっていう肝心なことは、私ももう忘れてしまった。たしか、サイコロをラインに沿って転がすんだったと思うが。ラインっていうのは、1と3の面の間の辺とか、1と3と5で挟まれた頂点とかって意味で、なんだか忘れたけど、片ッぽを1・3・5で、もう片ッぽを2・4・6でとか、何かそんな感じで、とにかく漫然と放り投げるんぢゃなくて、ラインで転がすのが技だったと思うんだが。(実際に自分で練習したことはない。)

麻雀放浪記(一) 青春編
阿佐田 哲也
角川書店

このアイテムの詳細を見る


9月15日追記
角川文庫版は昭和54年。「(一)青春編」「(二)風雲編」「(三)激闘編」「(四)番外編」の全四冊。
私の持っているのは昭和59年の版と第三巻だけ昭和62年の版。カバーは映画のシーンから採られています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

まわり将棋は技術だ

2009-08-24 19:21:53 | 読んだ本
先崎学 2003年 文藝春秋社
サブタイトルは「先崎学の浮いたり沈んだり2」、週刊文春連載コラムの単行本化第2弾である。
きのう採りあげた、映画『情婦』を見ようと思ったのは、この本に書いてあったからである。
「ビリー・ワイルダー監督の死」という章で、ワイルダー監督の作品のなかで最も好きなものとして『情婦』をあげている。
あるとき、友人と、いままで観た映画の中で一番は何か、紙に書いて見せあおうってことになって、ほんとは『情婦』って書きたかったんだけど、邦題がよくないので『アパートの鍵貸します』と書いたら、相手も同じことをしてきたっていう話。これを読んで、私は『情婦』を急いで観た。
ほかの話も面白いものばかりで、タイトルの「まわり将棋は技術だ」は、囲碁の棋士はまわり将棋がうまくて、手の中に「金」を4枚握ったときにセットして、好きな数を出せるという話である。インチキぢゃないよ、技術だよっていうんだけど、すごい。サイコロよりは簡単なのかな?

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

情婦

2009-08-23 22:16:43 | CD・DVD・ビデオ
1957年 ビリー・ワイルダー監督作品
裁判つながりで、好きな映画のひとつをあげる。
『情婦』って邦題が、なんだかワケわかんなくさせてんだけど、法廷が舞台の映画なんです。
って、自分が生まれる前の映画なんだけど。

何回か見たけど、DVD買って持ってないです。買おっかな。
ちなみに、最後に「この映画を観てないひとにラストを教えちゃダメだよ」っていう感じの言葉が入ります。そんなことワザワザ言わなくてもって思うけど、そのくらい面白いことは確かですぅ!

情婦 [DVD]

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

このアイテムの詳細を見る

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

裁判長!ここは懲役4年でどうすか

2009-08-22 22:57:50 | 読んだ本
北尾トロ 2006年 文春文庫版
裁判つながり、ということで。
私は、『怪しいお仕事!』『危ないお仕事!』の著者つながりってことで、この本を買ったんだけど、帯に“裁判員制度前に必読”なんてあるように(私の持っているのは2007年3月の第14刷)、そんな関係で売れているようである。
元が書かれたのが、2001年から2003年にかけてくらいの時期。2年間、月に4、5回ずつくらい裁判にかよった経験からピックアップした傍聴記である。
裁判を見に行く理由を、ずばり、面白いからと言いきっているだけあって、楽しんでる感じのトーンのものが多い。
被告or原告・被害者のどちらかに感情移入したり、被告の顔を見て、どーゆー人生なんだろうと想像しちゃったりするのが基本パターンです。いわゆるヤジをとばせる展開を望んで、格闘技の試合を見てるような感じですが、こういう書き方は面白くて好きです。高裁での逆転を見てみたいとか、言うかそこまでって感じで。
面白い裁判を見つけるためにどうしたらいいのか、なんてことまで書いてあります。
そんなことしてるうちに、裁判傍聴に通い詰める人たちがいることもわかって、巻末に収録された“傍聴マニア”座談会も、いいですねー。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする