考える力

今回の国体に中国地区の強豪チームの選手が何人か出場していました。テントが近いこともあり少し様子をうかがっていました。

この春に中国地区のマイルを制した島根のチームの選手、３人が国体に選ばれていました。指導者もトップレベルですからかなり強くなっています。しかし、今回はあまり良い成績が残せていません(とはいってもかなり速いのですが…)。それにより先生の逆鱗に触れて大説教、次の日はかなりハードな練習を課されたようです。走練習が終わってからはひたすら補強。

そこまでならよくある話です(よくはないかもしれませんが(笑))。昨日は出場種目がないのでずっとサブトラックにいました。荷物の運搬をしている時に第３コーナーでそのチームの選手を見かけました。何をしているのかと思って見てみると、４継の３走の入り方をひたすら見ている様子でした。自分の県ではなく様々な県の選手の入り方を見ながら相談をして自分達の走りに生かそうとする姿勢が見受けられました。感心しました。

自分達が速くなるために、自分達で考えながらやる。言葉で表すのは簡単ですが、それを実際にやることは難しい。頭が良いからというだけではありません。自分が何をするべきかを考えて判断をしているのです。その部分が選手の伸びを大きく決めると思います。競技場の中だけではなく生活全ての面で必ず必要になる。競技力を上げるためには、場面場面で何をするかをしっかりと判断して行動に移さなければいけない。

言われたからやる、言われてないからやらないでは上手くいきません。誰のためにやるかを本人が考えれなければ次にはつながらないのです。今回、国体で１週間練習を見ることができませんでした。今まで私に依存していた部分から抜け出せなければ力が大きく落ちてしまうはずです。そこを越えるためには自分がきちんとやるしかありません。大きな差となります。

自分達よりも力が上の者が高い意識で全力で取り組んでいる。やらされているのではなく自分で考えて自分のためにやる。更に強くなるでしょうね。来年本当に戦うならうちもそれに見合う努力を必要となります。それだけの覚悟を持ってやっていかなければいけません。

全国で戦う事を目指しているチームの取り組む姿勢から学ぶ事は大きい。県外のチームと合宿をさせてもらう最大の狙いはここです。技術的な部分云々よりも自分達よりも強いチームがどんな意識で取り組んでいるかを肌で感じてもらうことど更に上の意識レベルに引き上げる。大きな刺激をもらえますから効果は大きいと思います。

自分なりの精一杯ではなく目標達成のたもに必要な最大限の努力と考え方をしていかなければ届かないと改めて感じました。しっかりと取り組むために「心」を育てていきたいですね。まずは中心となる部分を強化しなければ次にはつながりませんから。私も良い刺激をもらいました。考える力を身に付けていきたいですね。

基本に忠実に

国体のサブトラックでアップ等をみていました。とはいっても以前に比べてじっくり見るという感じではありませんが…。各県の選手がそれぞれ自分達のドリルをしているので見ていて面白いですね。側転したら横になってゴロゴロ転がったりしています(笑)。何だかよくわかりません(笑)。

全国的にある程度共通する動きをしているのは確かです。走る事自体は非常にシンプルですから大きく変わることはありませんから。走りのタイプが違う選手が多いのでその辺りを注目してみていました。
まず言えることは大きく脚が流れている練習はいないということ。まー当然ですね。ある程度の競技水準の選手が集まっているのですから。膝がきちんと引き出されているので回転が後ろになることはほとんどありませんでした。

あとは軸がブレない。ここも大きいですね。体幹が弱いと走りの中で身体がブレてしまって上手く力をもらうことが出来なくなる。ハードル選手を見ていて思うのですが、着地でバランスを崩すのはきちんと衝撃に耐えられる筋力が無いのだと思います。走りが安定しないのもこの辺りに原因があります。

走りの中での現象を見るのではなく、何故そうなるかをきちんと考えなければいけないと思いました。今回も国体で少しだけ技術的な話を聞けましたが、ここが一番の収穫だったかもしれません(笑)。結果的にそうなるだけであって最初からその動きをしようとしているわけではない。バイオメカニクスのような動作分析は現象をとらえているだけであり、意識しているかどうかは全く別の話です。

今回特に感じたことは、やっぱり基本に忠実に練習を積んでいくことが重要になるということです。流行りのドリルとかもあるみたいですが、強い選手がやっているからといって効果があるかどうかは全く別問題です。その動きをするから速いのか？元々別の部分が良いから速いのか？トップレベルになればなるほど更に上を目指そうとして新しいことをやろうとする。それがマイナスになっていることのほうが絶対に多いと思います。基本的な部分を外していって新しいことをやることで元々持っている良さを無くしてしまって走れなくなるという事が往々にしてあると思います。

基本的な事をどれだけ繰り返すか。高校の指導者として限られた時間を有効に使うための方法を考えなければいけないと強く思いました。派手さはないですが地道に取り組んでいくことで必ず動きが変わってくると思います。うちの学校はスーパースターが最初からいるチームではありません。地道に積み上げていくしかありません。今回の国体を見て進むべき道を確認できました。基本に忠実に進んでいきたいと思います。