kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

トレーニング中心で3

2013-12-02 | 陸上競技
結局、長くなるので記事も増えます。どうなんでしょうか・・・。

ウエイトだけでは「競技面では不十分」だと常々思っています。決まりきった形でしか筋力発揮ができないからです。ベンチプレスのような寝転がって重いものを挙げるという動作は競技場面ではありません。全く違う動作をしているため競技力に直結はしないと思います。だからそれを補うべく他の種目を入れるのです。うちの練習の最大の特徴は「身体づくり」だと自負しています。これがどれだけできるかで競技面も大きく変わってきます。

シャフト補強はきつい。当然です。選手が一番嫌がる種目かもしれません。しかし、この種目を「スプリント動作につなげため」と考えながらやったらどうでしょうか。重いものを動かすことだけにとらわれず、力の発揮や重心移動を考えながらやると抜群に効果があると思っています。当初教えてもらった時(6年くらい前?)は「トレーニング」としてだけ位置づけていました。だから慣れてくると重くする。筋力的には上がりますが、重くなった分速い動きができなくなったり重心移動ができない。接地時間が短くなるなどの弊害がありました。これは私自身がその練習の「本質」を見抜けていなかったからだと思います。甘かった。

今はとにかく走りにつなげるための練習として取り組んでいます。重量はほとんど重くしません。もっと重くてもできるのかもしれませんが、狙いとする動きができなくなると意味がなくなります。こういう練習を見ていると小さなエースの動きの速さと重心移動は抜群です。体重も軽く負荷的にはきつい部分がありますが、接地時間が短く速く前に進みます。股関節の動きがもう少しかなと思う部分はありますが(もう少し股関節を曲げることができるはず)、動きにキレがあります。その動きと比べると他の選手はのんびりに見えますね。

元々この練習が得意だったわけではありません。正確に言うと「大嫌い」だったはずです。しかし、秋になってシャフト補強を見ていると小さなエースの重心移動や動きの切れが抜群に良くなっていました。すごいなーと思ってみていたらあれよあれよという間に自己ベストを大幅更新。何がきっかけなのかは分かりませんがトレーニングがトレーニングとして終わらなくなっているというのは間違いない事実です。

トレーニングをすることが走りに直結する。実はこれがすごく大切なのだと思います。「補強をする」ということにとらわれて負荷をかければいいというのではない。他校がやっているからやるというのではなく、「こういう動きをすれば走りのここが変わるのではないか」と考えながらやっていくことが重要なのだと思います。

選手自身は「きつい」という先入観があるので嫌がります。やることで精一杯。しかし、視点を変えて「スプリント動作に結びつく」と思ってやっていくとこれはすごい練習になります。見ていると1年生は「一生懸命やる」ために頑張っている。連続スクワットの姿勢で足の幅が骨盤よりもかなり広くなる。これでどれだけ練習しても走りにはつながりません。実際に走るときにそれほど足を広げて走ることはないからです。実際とは異なる筋力発揮を続けていてもウエイトと同じで「直結しない」のです。すごく大切だと思いますがなかなか選手は感じ取れないですね。

「嫌だった練習を好きになる」というのは不可能かもしれません。しかし、「これをやれば速くなる」と思えば一生懸命に取り組める。もっといえば、動きの一つ一つを「スプリントのこういう部分につながる」と考えながらやるともっと効果は高くなる。意識的に取り組めばすべてが変わっていくのです。そこが選手に分かれば確実に強くなれます。

動きを見ていて「これは強くなるな」と感じた部分がいくつもあります。これがどれだけ継続できるかですが。良い練習でした。
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トレーニング中心で2

2013-12-02 | 陸上競技
結局前の記事は全くトレーニングについて触れていません(笑)。もうやりたい放題です(笑)。思ったことを書いていると次第に長くなってしまうというのは前からなのでお許しいただければと思います。

土日に走っているので月曜日はトレーニングのみとしました。1時間程度で計画していましたからウエイトとシャフト補強を実施。短時間である程度の負荷をかけておきたいと考えていました。前回シャフト補強は40分でできましたし、ウエイトも20分程度で終わったので問題なく1時間です。準備の時間が計算されていない気もしますがまーこれはこれで問題ないでしょう。

最初からウエイトを見ました。全体的にまだ「負荷が足りない」という気はしています。こちらが求める基準値をクリアできている選手が少ない気がします。「客観的指標」としてウエイトの重さに関するデータがあります。以前は「科学的に物事を見る」というのにこだわっていた部分がるのでそういうデータはたくさん持っています(笑)。最近は「全く興味なし」という感じですが・・・。陸上雑誌に「一流選手の動き」が紹介されていますがほとんど見ることはありません。「こういう動きができるから速い」と紹介してありますが、高校生にはできません。流れの中の一部分を抜き出して評価した所でそれが選手に還元できるわけではないのですから。目の前の選手の動きを見ることで初めてやるべきことが見えてくると考えています。

とはいえ、ウエイトに関しては「データ」を参考にすることができるかなとは思います。休息時間の関係で成長ホルモンの分泌が盛んになるというのは立証されている。これは利用しないともったいないですよね。「高負荷低回数」でウエイトをすると「瞬発力が上がる」とウエイト関係の本には書いてあります。が、高校生ではそれは無意味だと考えています。そんなに追い込めません。100%の力を発揮してウエイトをするなんて高校生には無理です。データの蓄積である「RM法」という方法を使って最大筋力を推測することができます。10回挙がる重さから1回しか挙がらない重さを予測するというものです。難しく書いても高校生には分からないですし、説明は最小限にしましたが。

体重40kgの選手がいる。この選手が30kgでベンチプレスを10回やる。「30kg×10回」からこの選手の最大筋力(ベンチプレスで1回だけ挙げられる重さ)は推測値ですが「40kg」となります。50kgの選手が同じように「30kg×10回」であっても同じく「40kg」が最大値。自分の体重には関係なく「挙げられる重さと回数」から推測するのです。

40kgの選手と50kgの選手、最大値が「40kg」という部分では同じですが必要な筋力としては異なります。体重が重いほどそれを動かすのに筋力が必要だからです。最大筋力が同じであれば「軽いほうが楽に動く」のは当然です。同じ重さを挙げているから安心というわけではなくて「必要な負荷をかけられているかどうか」という部分では50kgの選手にとっては「ベンチプレス30kg」の負荷は40kgの選手と比べると不足しているのです。分かりにくいですかね?

パワー系競技者の筋力目標値は男子が「ベンチ=体重の1.2倍」「スクワット体重の2倍」、女子が「ベンチ=体重の0.8倍」「スクワット=1.5倍」だとされています。10回挙げる重さが1回挙げる重さの75%とされています。これで1回の重さを推測するとうちの選手で基準値に達しているのは一人だけ。重たいものを挙げているとしても自分の体重の比率からすると「不足」なのです。

あくまで「基準値」ですから重いものを挙げることだけにとらわれたくはないと考えています。しかし、適正な負荷かどうか問われると「不足」だと思います。やみくもに「重たいものを挙げる」「筋肥大させる(筋肉を大きくする)」ことは考えていません。必要ないと思っています。大きな筋群は強化する必要がありますが必要以上に大きくなったらそれは「重り」にしかならない。競技面ではマイナスではないかと考えています。

数値的なことを書くと興味ある人しか読まなくなります(笑)。地味に難しい話なのではないかと思うので、高校生には理解できないかもしれないなと感じています。まーここは自己満足ということで。久々に数値でウエイトの重量を考えたので忘れないように書いておきます。
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トレーニング中心で

2013-12-02 | 陸上競技
月曜日、期末考査3日目。前日に2日間休みがあったのでそれなりの準備はできたはずです。金曜日も「勉強をするように」を指示をして「自主勉強」をするように話しています。これで「勉強時間が足りない」というのは通常ありません。逆にこれで時間が足りないのであれば練習をするしない関係なく時間は足りなくなるでしょうね。「時間の使い方」の問題です。「勉強時間」を有効活用ができていないというだけ。こういう部分はこれからの成長のためにも必要だと思います。

考査は2時間だったので終了後すぐに練習。このとき気になっていたことを少し話しました。「怒る」と「注意をする」というのは大きく違うと思います。「怒らないために」という本を読みましたがこれは「イライラしない」「すぐにカッとならない」というだけであり、「ダメなものはダメ」だと指摘できないというのは全く違う問題だと思います。何でもかんでも「受容する」というのは絶対に間違っていると思います。

問題点は2つ。一つは「鍵の返却」です。この日の朝、図書室で勉強会が終わりSHR後にクラスにいる選手が「先生鍵を」と言って持ってきました。これまでもなんとなく受け取っていましたがどう考えても「間違っている」と感じました。午後の勉強会の後に練習をする際も練習場所で「先生鍵を」と私の所に渡しに来ます。これも受け取ってはいましたが良いことではありません。ここが「気にならない」という人もいるでしょうが私は「良いことではない」と判断。

確かに私はカギが置いてある職員室に戻ります。私が持っていくのが一番効率的なのかもしれません。本当にそれでいいのでしょうか?図書室にしても選択教室にしても誰が使ったのでしょうか?私が中心に使っていたのであれば百歩譲って返却するのかもしれませんが、それでもその部屋を使って勉強をした者が責任を持って返すのが普通ではないでしょうか。「感謝しろ」とまでは言えないかもしれませんが、自分達が「半強制的」ではあれ、その部屋を使用して勉強をしたのです。「使わせてもらってありがとうございます」という「感謝の気持ち」を持って返却に来るのは当然ではないでしょうか。ここは今後のことも考えて「注意」をしておく必要はあります。人によっては顧問に鍵を返却させるような選手は練習をする資格がないと感じるかもしれません。私自身「緩い」のかもしれないなとは思いますが今回のことが次につながっていければ良いなという気持ちで指摘しました。

もう一つは1か月以上前に記入した「目標」を未だに掲示していないことに関しての指摘。「目標」を掲げることは重要です。毎日を適度に過ごすというのもありかもしれませんが、やはり「目標に向かって進む」という感覚を持ってもらいたい。「目標」は言って終わりではなく常に頭に入れておく必要がある。そのためにも「目につく場所」に貼っておくというのは大切です。1か月前に指示をしたつもりでしたが私が貼るためのセロハンテープをトレーニングルームに持っていきませんでした。そのため裏返しにしたままホワイトボードに貼ってありました。これでは意味がありません。

「目標」を立てるだけ立てておいてそれで終わり。ここは違うと思います。「目標」を決めたところがスタートラインです。そこからどのように進んでいくかを考える。目標に向かって今自分がどこを進んでいるのかを考えることで毎日の練習の内容が変わってくると考えています。自分が決めたことを見失うというのは良いことではありません。書いていて「覚悟の磨き方」に同じような文章があった気がするので紹介しておきます。

ことのはじまり
「なんでも、「最初の決心」というものが一番重要です。これがどこまでもついてまわるからです。~中略~ 事をはじめるのに、大切なことは、シンプルに「この道をきわめたい」と叫ぶことができるかどうか。それだけなんです。いまやっていることはどうでしょうか。「最初の決心」はどんなものでしたか。たまに振り返ってみてはいかがでしょうか。もしずれてきているのだとしたら、勇気を出して、今のうちに軌道修正しておきましょう。」

「覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰」編訳池田貴将 P134~135より引用

直接「目標」と結びつかないような気がするかもしれません。しかし、自分が冬期練習に入るときに「絶対にやるぞ」と決めた「決意」であっても時間が過ぎていくと共にその「熱意」は少しずつ冷めていく。これは仕方ないことです。だからその「決意」に対する「熱意」を保つためには「目標」を常に頭に置くことが重要だと思います。自分がその「目標」に向かって進んでいるかどうかを確認することができるからです。

自分たちのための練習でなければいけない。そう感じています。そのためには「誰のための練習なのか」を常に考えさせる。重要なことだと思います。だからこそ「目標」を貼る。手を抜いてはいけないと思います。少しずつ成長していると感じるからこそ求める。それだけです。

あーまた長くなってしまいました。トレーニングをするというテーマで書こうと思っていたのに(笑)。また別に書きます。

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