kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

自由。

2021-12-10 | 陸上競技

またも本の話。

 

先日、末續選手が書いた本を購入しました。「アスリートの本質」という著書です。それを読んで先に出版されている本があることが分かったのでまたも購入。

タイトルが「自由。」。前回読んだ著書に比べると「陸上競技」というよりは「生き方」や「苦しみ」などが書かれていた印象。細かく書くと「ネタばれ」のようになってしまうのでそれは避けたないなと思いますが。必死に競技をしてきた中での感覚。オリンピックでメダルを取った時の率直な感想が「早く帰りたい」というもの。ここに至るまでにどれだけ「死に物狂い」でここに立ったのか。世界選手権で銅メダルを取って以来、「自分」は変わらないつもりでも「周囲」が大きく変わる。その中で自分自身が追いつめられる。

 

我々は「客観的に見る」ことだけしかできません。その時の感情は末續選手にしか分からなかった。無責任な発言をすることもあったかもしれません。「主観」として本人がどのようにとらえていたのか。そこの苦しみは我々にははかり知れません。本当に大きい。

 

印象的な言葉。「本番を最大限に楽しむためには?」という内容に書いてありました。我々も選手には「自分のレースをする」「自分の走りをする」ことを試合で求めます。そこに集中することで最大パフォーマンスが発揮できるというのがあるからです。レース直前にそのことを考えるのでは遅い、と。

 

「自分だけのものは、練習の時に繰り返し繰り返し叩き込み、完成させておく必要がある」

 

レース前に「自分のことに集中」とか考えているというのは「走りが完成していない」から余計なことを考えるという意見なのだと思います。「練習は試合のように。試合は練習のように。」という言葉もよく聞きます。が、ここで考えるのは「練習は自分の走りを完成させるための時間」という部分。何気なく練習をしている間は本物にならない。自分がやろうと思っている動きを練習の中で常に意識する。それを安定させる。いつでもその動きができるようにする。それができれば「自分のレースに集中する」というのではなく「その場でできることをやる」だけに絞られる。

 

非常に面白いなと思いました。

 

また、「ティーチング」と「コーチング」のことも書いてありました。教員が指導者になる。また、競技実績がある人が指導者になる。そうなると「経験則」が大きくなる。自分自身の「成功体験」を選手に当てはめようとする。「なぜその練習をやるのか」という部分ではなく「これをやれば強くなる」という一方的な話になる。これでは上手くいかないことも増える。選手側が理解してやっていくのではなく、「やればいい」という形になってしまうから。ここの問題点をどのようにとらえるか。

 

このことも「実績がある選手」が言っているから「正しい」というのではないと思います。私自身がこれまで考えていたこと、感じていたことと重なる部分があるので「共感」しているのです。「強い選手は何をしても強い」と思います。誰が指導しても。そうでない場合どうするのか。「必要なこと」をきちんと説明して「なぜやるのか」という部分を理解させる。

 

この本も面白いなと思う部分が多い。共感する部分も。以前はこの手の本をよく読んでいました。今は小説なども含めて様々なジャンルを読むようにしています。なんとなく感想も書き記しておきたいと思います。

 

ぼちぼち。

コメント
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