kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

強化練習~1日目午後~

2021-12-29 | 陸上競技

前の記事の続き。

 

午後からの練習開始時間は早めに設定していました。通いの合同練習なので帰りの電車の時間も計算に入れなければいけません。合宿であればそこは気にしなくてよいですが。駅から2キロを走ってセミナーパークまで行ってそこから走って帰る。ここまでが練習です。そういえば、以前セミナーパークで練習をすると伝えて「現地集合」にしていたら「疲れているのに駅まで歩いて帰るのか」という批判を受けたことがあります。こうなるともう何もできないですね。今はないですが。「競技をする」という話になった時に「疲れるから」という意見が出ると先には進めないと思います。

 

午後の練習の初めにkbt先生から話がありました。これまでの合宿の経緯です。それぞれがチーム作りをする中で集まってやっていた。最初は集合時間も守れない中でやっていた。そこから気が付けばインターハイに出場する選手が出てくるまでに成長する。この機会は「成長のチャンス」です。そのことをどのように感じるか。さらにはIH入賞するような選手もいる。この選手が一番率先して動いています。一番前にきて練習に取り組む。この姿を見て何を感じるか。ペアワークになるときに遠慮するのではなくTaさんと一緒にやるようにすることで大きな刺激になるはずです。そこも話をされました。どう感じるか。

 

走る時間を確保したいというのもありました。が、さすがにずっと走り続けるのは難しいなと思っていたので。最初は軽く補強。体幹補強をしたり股関節周辺の補強をしたり。ここになるとやはり「差」が出ます。股関節補強はかなりきつい。そうなると「腰を高くする」選手も出てきます。一番負荷をかけたいところにかけることができない。本当はそれではよくないのですが「補強をする」という部分だけでやっていると当然ながら「負荷」を軽くしてしまいます。腰を落とすと疲れるので。が、そこに対してどう思うか。難しいですね。何度も投げかけますが。全員が同じ感覚でやっているわけではない。集団が多くなればなるほどそれは出てきます。客観的に自分自身を見ることができないと気付かないと思いますが。

 

ある程度補強をしてから坂道へ。ひたすら補強をするために集まったわけではありません。「殻を破る」というテーマがある。そのための練習にしなければいけません。そのため、「他者の力を借りる」必要があります。自分だけで現状打破はできないからです。ここも最初は「ペアワーク」です。ということでおんぶ走から。90mくらいの坂をひたすらおんぶ走で走ります。これだけでかなり負荷になる。もちろん全力で走り続ける選手もいれば歩きながら上がる選手も。ここは千差万別。目的に応じで取り組みも違うでしょうから。スキップ走も。サイドステップも。常に「ペア」で実施する。向かい合っている選手と競争することで負荷をかけていきます。

 

やっているとkws先生が「スキップから走ったら面白い」といっていたのでそれを実施。スキップ走で進んできてから坂道に入ってからスプリント。走る距離はそれほど長くないですが。これを何本も。思っていた以上に負荷がかかったようです。技術的なことも少しはやりますが、今回はそこが狙いではない。走る中で感覚をつかんでほしいというのもありますが「殻を破る」というのがテーマ。だから休みません。午後は2時間半くらいしか走れないので。ずっと走り続けてもよいのですが無理なので色々な形で動くのです。

 

スパイクを履いてから今度はリレー形式で。急な坂からスタートして平地に入る。そこで交替してまた坂を上る。で、交替して緩やかな下り坂を走る。3人1組です。それぞれが90m近くあるでしょうか。一人では追い込めない部分もあります。複数で走ることで競争になる。私は個人的に「エンドレスリレー」というのが好きではありません。差がついてしまって追いつけないからです。そうなると「追いつけなくても仕方ない」という感じになるので「力を使い切れない」と思っています。そのため、決めた距離を走ったらまた再スタートするという形を好んで実施しています。

 

3人1組なので3走を走った選手が歩いて1走のスタート地点へ。坂の上から階段で降りてきます。選手によっては滑り台を滑って降りてくる者も。そこに関しては「ダメ」とは言いませんでした。しんどい中にも「楽しさ」は求めたい。リレー形式でやることも同じです。競争する、勝負する。ここが好きでないとなかなか「陸上競技」はできません。もちろん、自分自身との勝負という部分もあるとは思いますが。

 

坂を利用するとどうしても「歩いて降りる」時間がもったいないなと思います。その時間さえも走らせたい。休憩も必要ですからこの時間が休憩かなというのもあります。が、1サイクル実施して「歩いて帰るのが遅い」というのがありました。走り終わった選手が1走まで歩くのですから当然です。ここで急遽走る距離を変えました。階段を下りてきたところから走り始めれば時間の確保ができる。そう思って実施しました。「技術的な変化」を求める部分もありますが今回は「限界突破」ですから。かなりの本数を走らせたいと思っていました。

 

3本を1セットにして何本走ったでしょうか。かなりの本数を走ったと思います。時間が許す限り走るという感じでしたから。足が痛いという選手もいたと思います。これが土やタータンであればもっと早い段階で痛くなっていたと思います。芝生の上だからできることもある。そう思ってやっています。周りから見れば「こんなに走る必要はない」と言われるかもしれません。選手にも話していましたが「毎日やる練習ではない」と思います。普段とは異なる環境で、異なる練習相手と、異なる雰囲気でやるからできるのです。「やりきれない」選手であっても周りが「必死になる」という環境であれば大きく変わってきます。雰囲気でやり切れる部分が出てくる。もちろん、「意識改革」は求めたいと思いますが「きついのは自分だけではない」ということに気づけると「なんとなくやっている」選手であっても変われるかもしれません。そこも大きな狙いの一つになっています。

 

かなり走りました。そして終わりと思ったところからもう少し負荷をかける。終わってから90mの坂道をランジで進みました。一人ではできない部分もあるのでペアワークで。二人で一緒に行くことでしんどくても乗り切れます。手をつないで上にあげる。軸を保ちながら。もちろん、「楽をしたい」と思えばいくらでもできます。ペアを組むときに「少しくらいいいだろう」というペアで組めばそういう練習になる。全員が殻を破ることができるのが理想だとは思いますが、実際はそんなに簡単な話ではない。自分自身が「必要」だと思わなければ何も変わらないからです。

 

何人かが足を攣っていました。しんどい部分もあったでしょう。以前はここで過呼吸になる選手もいました。「集団心理」も出てくると思います。「足を攣る」ことでそれ以上の負荷をかけられない。これが「正当化」されます。が、本当に「やりきる」という選手はそこからまた動き始めます。「強制」ではありません。無理だったら止める。それでいいと思います。「限界」ではなくてもやめるという選手もいるでしょう。ここは大きな違いだとは思いますが。

 

最後の集合で「明日はよりよい練習を」という話も。「明日は今日の3倍走る」ということも伝えました。絶望的になった選手もいるかもしれません。中には「自分を越える」と強い決心をした選手もいるでしょう。この差は大きいと思います。合宿であれば「強制」的に宿泊することになるので翌日の練習にも参加することになります。しかし、通いなので「来たくない」と思えば休むこともできます。別にこれも「強制」ではない。誰かに「無理やり参加させられる」というのは面白くないでしょうから。

 

この部分は大きいと思います。「予告」をしていてそれに対してどのように応じるか。これまでこの手の練習になると「足が痛い」というので最初から抜ける選手もいました。「きついこと」はやりたくない。当然の話です。それはそれ。今回は「殻を破る」「限界値を上げる」のがテーマですから。それがわかって参加することになります。まー批判も出るでしょうね。それはそれ。自分が求めないのであれば他の道を選択すればいいだけですから。

 

あえて「厳しい練習」を課しています。その中で何をつかめるか。重要な部分だと思います。

 

また書きます。

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強化練習~セミナーパーク~

2021-12-29 | 陸上競技

月曜日。前日から数人は広島での中国合宿。本来であれば私が連れていくことになっていましたがndgのtnk先生に連れて行ってもらうことに。ありがたいことです。車で行って電車で帰ってくるという非効率的な流れになる予定でしたがありがたいことに力を貸してもらえました。感謝です。

 

で、月曜日はセミナーパークでの合同練習となっていました。県駅伝か何かの時に「どこかで強化練習をしたい」という話が出ていました。元々、年始に何校かで集まって合宿をしていました。新春合宿は恒例行事でした。時間が経過していく中でそれぞれが転勤をしていきなかなか思い通りの日程でできない状況に。我々の原点ともいえる合宿です。どうにかできないかなという部分もありました。そこで中国合宿の裏側で合同練習をしようと。その関係もあって引率せずに山口に残ることになっていました。

 

これまでは2泊3日で「技術&走り込み」という流れの中でやっていました。が、今回は「殻を破る」ことがテーマ。先日から何度も書いていますが、「どこを目指すか」という部分に合わせて「現状打破」が必要になる。「声を出す」という話をし続けてきました。が、すぐに元に戻ります。「変わる」と言葉にしても継続できない。本当の意味での「変化」が生み出せないのです。それを他校の力を借りて突破するという感覚。意図的に「技術系」の練習を省いて「ひたすら走る」という内容にしようと。このあたりのことはkbt先生に「任せる」と言われていたので。土曜日から火曜日までの練習に関しては「任せる」ということになっていました。ありがたいことです。指導する機会があるというのは大きな意味があります。

 

人数は40人程度でした。親しい指導者の学校と前任校の選手の一部。平等、不平等の話になるのかもしれませんが。「きちんとやりたい」と思っている選手に対して少しは力になりたい。そう思うことが「悪」と言われるのであれば仕方ない話です。練習に参加した全員が「自ら進んで」というわけではないと思います。それでも「殻を破る」ためには必要な機会だと思っています。脱落者が出ることも最初から予想しています。「自分たちは違うから」という感覚の選手がいても間違いではないと思います。しかし、「本気でやる」という経験は必要。「競技で勝負するわけではない」という生徒がいてもそれは否定しません。今回の合同練習に関しては「ひたすらやる」というのを最初から話していましたから。

 

「殻を破る」ために。ひたすら走るといっても「厳しい」だけでは絶対に無理だと思います。生徒によっては「技術系の練習だけがしたい」と思うかもしれません。残念ながら「そんな都合のいいことはない」と思っています。筋力も上げない、走練習もしない、人並外れた「素質」があるわけでもない。そんな中で「中国大会に行きたい」というのは無理。別に全員がそこを目指しているわけではないのはわかっています。しかし、今回参加する条件は「強くなりたい」という想いがあることだと思っています。そのためには「きれいなこと」だけやっていても無理。時には泥臭いことも必要です。

 

最初から「殻を破る」というのは無理。分かっています。そのため1日目の午前中は「明るくやる」というのを自分の中でテーマとして掲げていました。細かい技術的なことはやりません。が、補強はする。必要なジャンプ系の練習をする。ここに「遊び」の要素を入れながらやっていく。人はずっと「厳しさ」の中ではやっていけません。逆にずっと「遊び」の中でもやっていけません。「楽して強くなる」というのは不可能。ある程度の「意識レベル」になれば「厳しさ」の中だけでやっていけるのかもしれませんが。万人ではない。当然。

 

サイキングアップの部分も含めて二人一組で「遊び」ながらやっていきました。身体ほぐしなども含めてペアワークというのはある程度テンションが上がります。ここは大切。補強もスキップ系も。とにかくしっかりとやることにしていました。中でも力を入れたいと思っていたのが「ジャンプ系」です。kws先生が「バウンディングやりたい」ということだったのでそれに合わせて。いきなりバウンディングをやってもなかなかできないかなと思ったので。ゲーム感覚で。できるだけ少ない歩数で距離をというテーマで遊ぶことに。じゃんけんをして勝ったほうがバウンディングで前に進める。小さいころにやった遊びです。グーで勝ったら「グリコ」、チョキは「チョコレート」、パーは「パイナップル」です(笑)。完全に遊んでいますが。遊びの中で「前に進む」ことを身に付けたい。ワイワイ言いながらやるという機会も必要。性格的なこともありますが「どんよりした空気」の中でやるのは面白くない。厳しい場面も必要ですがそれ以外は「楽しく」やりたいなと。

 

バウンディングでできないのは「最初の一歩」です。助走をつけてからのバウンディングでもいいと思います。今回は最初の一歩も練習。何人かでグループになって「目印を越える」というもの。これもどこでもやることですが。遊びながら体を動かす。幸い、インターハイであと一歩で入賞という選手も残ってくれています。近くでその選手を見るというのも選手にとってはプラスになります。お手本を見せてもらうことも多い。

 

芝生の上でできることをしっかりとやる。元気な時にしかできないだろうなと思っていたので。疲労困憊でジャンプトレーニングをすると危険です。足に疲労がないうちにと思って。先日からkbt先生とも話をしていたのですが「片足」でどれどれだけ力を発揮できるか。そのために「ホッピング」をしたい。が、故障のリスクも出てくる。そういう部分も含めて芝生の上で「基礎」を作りたいと思っていました。最初はできませんでしたがある程度練習を繰り返す中でできるようになってきました。両足でジャンプして膝がペアの手につくまで。さらには片足でやってペアの手に膝がつくまで。最後に少しずつ進む。もちろん全員ができたわけではないですが、こういう機会があるとずいぶん違ってきます。

 

そこまでやって助走をつけて5歩くらいのホッピング。三段跳びをやっているTaさんにお手本を。片足で身体を運ぶというところを見て欲しかったのですが、腕の使い方に注目が・・・。普通のスプリントをする選手が三段跳び選手のように腕を回す必要はないと思います。本来の目的である「片足で身体を遠くに運ぶ」というところに注目してくれたらそれでよかったのですが(笑)。

 

補強なども入れて午前中はここまで。当初は雪予報でしたが天気も良くなってくれたので無事に午前中を終えることができました。ありがたいことです。

 

とりあえず午前中のことを。記録しておきます。ここまでは本当に「遊び」の感じです。本番は午後からということで。

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