前の記事の続き。
午後からの練習開始時間は早めに設定していました。通いの合同練習なので帰りの電車の時間も計算に入れなければいけません。合宿であればそこは気にしなくてよいですが。駅から2キロを走ってセミナーパークまで行ってそこから走って帰る。ここまでが練習です。そういえば、以前セミナーパークで練習をすると伝えて「現地集合」にしていたら「疲れているのに駅まで歩いて帰るのか」という批判を受けたことがあります。こうなるともう何もできないですね。今はないですが。「競技をする」という話になった時に「疲れるから」という意見が出ると先には進めないと思います。
午後の練習の初めにkbt先生から話がありました。これまでの合宿の経緯です。それぞれがチーム作りをする中で集まってやっていた。最初は集合時間も守れない中でやっていた。そこから気が付けばインターハイに出場する選手が出てくるまでに成長する。この機会は「成長のチャンス」です。そのことをどのように感じるか。さらにはIH入賞するような選手もいる。この選手が一番率先して動いています。一番前にきて練習に取り組む。この姿を見て何を感じるか。ペアワークになるときに遠慮するのではなくTaさんと一緒にやるようにすることで大きな刺激になるはずです。そこも話をされました。どう感じるか。
走る時間を確保したいというのもありました。が、さすがにずっと走り続けるのは難しいなと思っていたので。最初は軽く補強。体幹補強をしたり股関節周辺の補強をしたり。ここになるとやはり「差」が出ます。股関節補強はかなりきつい。そうなると「腰を高くする」選手も出てきます。一番負荷をかけたいところにかけることができない。本当はそれではよくないのですが「補強をする」という部分だけでやっていると当然ながら「負荷」を軽くしてしまいます。腰を落とすと疲れるので。が、そこに対してどう思うか。難しいですね。何度も投げかけますが。全員が同じ感覚でやっているわけではない。集団が多くなればなるほどそれは出てきます。客観的に自分自身を見ることができないと気付かないと思いますが。
ある程度補強をしてから坂道へ。ひたすら補強をするために集まったわけではありません。「殻を破る」というテーマがある。そのための練習にしなければいけません。そのため、「他者の力を借りる」必要があります。自分だけで現状打破はできないからです。ここも最初は「ペアワーク」です。ということでおんぶ走から。90mくらいの坂をひたすらおんぶ走で走ります。これだけでかなり負荷になる。もちろん全力で走り続ける選手もいれば歩きながら上がる選手も。ここは千差万別。目的に応じで取り組みも違うでしょうから。スキップ走も。サイドステップも。常に「ペア」で実施する。向かい合っている選手と競争することで負荷をかけていきます。
やっているとkws先生が「スキップから走ったら面白い」といっていたのでそれを実施。スキップ走で進んできてから坂道に入ってからスプリント。走る距離はそれほど長くないですが。これを何本も。思っていた以上に負荷がかかったようです。技術的なことも少しはやりますが、今回はそこが狙いではない。走る中で感覚をつかんでほしいというのもありますが「殻を破る」というのがテーマ。だから休みません。午後は2時間半くらいしか走れないので。ずっと走り続けてもよいのですが無理なので色々な形で動くのです。
スパイクを履いてから今度はリレー形式で。急な坂からスタートして平地に入る。そこで交替してまた坂を上る。で、交替して緩やかな下り坂を走る。3人1組です。それぞれが90m近くあるでしょうか。一人では追い込めない部分もあります。複数で走ることで競争になる。私は個人的に「エンドレスリレー」というのが好きではありません。差がついてしまって追いつけないからです。そうなると「追いつけなくても仕方ない」という感じになるので「力を使い切れない」と思っています。そのため、決めた距離を走ったらまた再スタートするという形を好んで実施しています。
3人1組なので3走を走った選手が歩いて1走のスタート地点へ。坂の上から階段で降りてきます。選手によっては滑り台を滑って降りてくる者も。そこに関しては「ダメ」とは言いませんでした。しんどい中にも「楽しさ」は求めたい。リレー形式でやることも同じです。競争する、勝負する。ここが好きでないとなかなか「陸上競技」はできません。もちろん、自分自身との勝負という部分もあるとは思いますが。
坂を利用するとどうしても「歩いて降りる」時間がもったいないなと思います。その時間さえも走らせたい。休憩も必要ですからこの時間が休憩かなというのもあります。が、1サイクル実施して「歩いて帰るのが遅い」というのがありました。走り終わった選手が1走まで歩くのですから当然です。ここで急遽走る距離を変えました。階段を下りてきたところから走り始めれば時間の確保ができる。そう思って実施しました。「技術的な変化」を求める部分もありますが今回は「限界突破」ですから。かなりの本数を走らせたいと思っていました。
3本を1セットにして何本走ったでしょうか。かなりの本数を走ったと思います。時間が許す限り走るという感じでしたから。足が痛いという選手もいたと思います。これが土やタータンであればもっと早い段階で痛くなっていたと思います。芝生の上だからできることもある。そう思ってやっています。周りから見れば「こんなに走る必要はない」と言われるかもしれません。選手にも話していましたが「毎日やる練習ではない」と思います。普段とは異なる環境で、異なる練習相手と、異なる雰囲気でやるからできるのです。「やりきれない」選手であっても周りが「必死になる」という環境であれば大きく変わってきます。雰囲気でやり切れる部分が出てくる。もちろん、「意識改革」は求めたいと思いますが「きついのは自分だけではない」ということに気づけると「なんとなくやっている」選手であっても変われるかもしれません。そこも大きな狙いの一つになっています。
かなり走りました。そして終わりと思ったところからもう少し負荷をかける。終わってから90mの坂道をランジで進みました。一人ではできない部分もあるのでペアワークで。二人で一緒に行くことでしんどくても乗り切れます。手をつないで上にあげる。軸を保ちながら。もちろん、「楽をしたい」と思えばいくらでもできます。ペアを組むときに「少しくらいいいだろう」というペアで組めばそういう練習になる。全員が殻を破ることができるのが理想だとは思いますが、実際はそんなに簡単な話ではない。自分自身が「必要」だと思わなければ何も変わらないからです。
何人かが足を攣っていました。しんどい部分もあったでしょう。以前はここで過呼吸になる選手もいました。「集団心理」も出てくると思います。「足を攣る」ことでそれ以上の負荷をかけられない。これが「正当化」されます。が、本当に「やりきる」という選手はそこからまた動き始めます。「強制」ではありません。無理だったら止める。それでいいと思います。「限界」ではなくてもやめるという選手もいるでしょう。ここは大きな違いだとは思いますが。
最後の集合で「明日はよりよい練習を」という話も。「明日は今日の3倍走る」ということも伝えました。絶望的になった選手もいるかもしれません。中には「自分を越える」と強い決心をした選手もいるでしょう。この差は大きいと思います。合宿であれば「強制」的に宿泊することになるので翌日の練習にも参加することになります。しかし、通いなので「来たくない」と思えば休むこともできます。別にこれも「強制」ではない。誰かに「無理やり参加させられる」というのは面白くないでしょうから。
この部分は大きいと思います。「予告」をしていてそれに対してどのように応じるか。これまでこの手の練習になると「足が痛い」というので最初から抜ける選手もいました。「きついこと」はやりたくない。当然の話です。それはそれ。今回は「殻を破る」「限界値を上げる」のがテーマですから。それがわかって参加することになります。まー批判も出るでしょうね。それはそれ。自分が求めないのであれば他の道を選択すればいいだけですから。
あえて「厳しい練習」を課しています。その中で何をつかめるか。重要な部分だと思います。
また書きます。