水曜日。この日は走練習がメイン。1週間以上前から体調不良者が複数出ています。貴重な時間が削られている。もちろん、体調が悪くなることは誰にでもあります。ひょっとしたらよくわからないウイルスが蔓延しているのかもしれません。これはよくわかりませんが、計画的に練習ができるといいなと思っています。
この日は全国大会に出場する部活動に対して教育長が激励に来られました。前任校で一緒に働いていた先生もコーディネータのような形で司会進行などもされていました。その関係で大きな声を出しての活動がしばらくできない。グランドで激励されていたので。この辺りもよくわからない部分ではありますが。
体幹補強Kから始めました。かなりできるようになっていますが細かいところまで見ると「正確性がない」というのがあります。大腿部を地面と平行にするという指摘をしますが低くなりません。自分では「低くしている」と思っているのかもしれません。自分の体の感覚と実際の動きが異なっているというのであればやはり自分の中で修正ができないといけません。最大限の負荷をかけたい。トレーニングがメインの日ではないですがアップの時の補強で「最大負荷をかける」ことができるかどうかは大きいと思っています。
関西に行ったとき。mtm先生が大阪にいらっしゃった時も京都で指導されているときも。室内などで1時間以上「身体づくり」をしていました。強化というだけではなくコントロールするという部分も含めての「身体づくり」です。実際、走っている時間などよりも圧倒的に「身体づくり」をする時間のほうが多い。走りにつながる動きの中での補強も多くありました。単純に「走っておけばよい」といのではない。話を聞く限りこだわりがあって「きちんと身体を動かす」「自分の体をコントロールする」という部分が大きい。強豪校で「高いレベルの身体づくり」をするのであれば、我々はどうするのか。より精度を高めなければ勝負することはできない。ここだけは確かです。
少し寮に行ってボイラーを入れるという作業を。舎監なのでそこだけはやっておかないといけません。戻ってくるとタイヤ走が始まる前でした。120mを使ってのタイヤ引き。直線でできるので見やすいですね。それぞれのスタート地点でスタートさせます。1セット目は3本。2人1組で実施。かなり指摘をしましたが、走り終わったらすぐに下を向きます。きつそうな姿を見せます。きついのは当然です。しかし、それを前面に出すのはどうなのか。気温も低い。その中でしゃがみこんで下を向いている。これでは絶対に強くならないと思います。私見ですが。
きついのは当然。走っているのですから。走り終わった後に倒れこんだりしていて「強くなる」のであればそれでもいいと思います。本当は呼吸を整えて次の1本に向けて準備する必要があります。「自分はしっかりとやっている」と思う部分はあるでしょう。しかし、本当に「強くなろう」とする選手は「自分の今に満足しない」のです。走り終わった瞬間に次のことを考える。次の1本でどう走るか。その部分まで含めて考えないといけません。
2セット目は短長は5本で。3人1組にして走る。短長はこの部分がしんどいと思います。それでもこういう部分は重要。ヨンパの選手がいるのもありますが、「疲れてからどう動くか」というのは重要。タイヤ引きでスピードの乗ってから自分の体の前で足を動かす。接地のポジションを身体の真下にする。疲れて来てからそこが意識できなければ効果は上がらない。補強と同じ。「回数をこなす」「本数をこなす」だけでは強くはなれない。厳しいようですが。
少し休憩をはさんで。走練習。短短が120m×3(walkで戻る)、短長が120m+100mを3本。タイヤ引きで作った走りを実際のスプリントに落とし込む。短長はかなりきついと思います。それでもしつこく「下を向くな」というのを繰り返しました。それぞれの学校で「伝統」みたいなところがあります。走り終わったらその場に座り込むというのが「伝統」というチームもあるでしょう。本当は歩けるのに「倒れこむ」ことで「最大限の練習をした」という雰囲気が生まれる。ここは違うと思っています。関西の高校に行ったときに練習が終わって倒れこんでいる姿を見たことがありません。「余力を残している」という評価もできるのかもしれませんが絶対にそんなことはありません。「倒れこむ」ことで「力を使い果たしました」という雰囲気にはなりますが、「雰囲気」です。倒れこむほど力を使っていたらその後の練習は何もできないと思います。もちろん、そこまで追い込めるのが理想。実際は「余力はあるが倒れている」という場面が多い。これはずっとグランドで見てきた経験です。
実際、これだけ走って「ケツ割れ」していたいという姿がほとんどありません。最大スピードを最初から出して最高の走りをし続けると1本でも乳酸が爆発的に蓄積します。走る練習というのは「最大スピード」を出して筋肉に乳酸を蓄積させることができるかが大きい。乳酸が蓄積して「痛み」が出ても動き続けるくらいの負荷をかけたい。本当に乳酸が蓄積したら歩きたくても「足ががくがく」してしまいます。そういう感じではない。まだできると思っています。
試合の時に予選を走る。その時に「下を向く」「苦しそうな姿を見せる」とどうか。他の選手はその姿を見て「この選手は疲れているな」と思います。気持ち的に「こいつには勝てる」という気持ちにさせます。疲れていても「まだ余裕がある」という姿を見せることで相手も「要注意だな」という心理が働きます。実力が接近している状況であれば「心」の部分で勝負が決まることもあります。そこまで考えてやっていく。実際、予選が終わって倒れこんでいるような選手はレースでほとんど見たことがありません。もちろん、しんどい部分はあるでしょうが。そういう場面で倒れない。「力を使い切って負けた」という姿を示すというのは「恥ずかしい」ことか。この部分は話が少しずれるのでまた違ってきますが。
「よく頑張ったね」「すごいね」と褒める。必要なことかもしれません。しかし、本当の勝負をするためにはそのあたりの「満足」では困るのです。きつそうな姿を見たらこちらも「無理しなくていい」という話をすることになります。万が一、本当に倒れたら困るからです。実際そのような姿はこれまで見たことはありませんが。本当に強くなるためにどのように練習をするのか。ここは重要なことだと思っています。体幹強化というだけではなく「質」を上げていくことを求めたい。本当に目指すものがあれば・・・ですが。
総じて走れるようになってきていると思います。が、ここはまだ通過点。もっともっと走れないといけません。現状に満足するというのは絶対に避けたい、強くそう思います。