講師の亀田です。
前回に続きまして、知的生産をする際の留意点をご紹介したいと思います。今度は、アウトプット編です。
1.「Less is more=少ないほどいい」を意識する
建築やデザインの業界では有名な言葉になりますが、ついつい企画書や提案書にコンテンツを詰め込みがちです。そして、たくさんの情報を提供することは良いことだ、と考えてしまいます。しかし、実際は少ないほど良いのです。
なぜなら、「その方が効率的だから」です。
必要な情報が網羅されていることが大前提になりますが、少ないほど短い時間で多くのことが伝わるわけです。削る勇気が必要になりますね。
2.What、Why、Howの3点要素をそろえる
Whatは「やるべきこと」であり行動の提案、Whyは「その理由」、HowはWhatを実行するための「具体的なプラン」を意味します。
そして、重要なのはHowが具体的で実行可能なプランであることです。そうでないと、せっかくのプランも「絵に書いた餅」になってしまいますよね。
3.抽象行動を意味する用語を使わない
具体的には、
検討する、推進する、実践する、連携する、強化する、注力する
などがあります。
これらの用語は、一瞬に良いことを言っているように見えますが、実は、「具体的に何を明日からやるのか」がイメージできない恐れがあります。
例えば、「強化する」をとは、人数を増やすことなのか、設備投資をすることなのか、がわかりません。また、仮に文脈でわかったとしても、どの位の人数、どの位の金額か、まで伝わりません。抽象行動用語を使う場合は、この辺りまで掘り下げる必要がありそうですね。
4.説得より納得、納得よりも共感、そして共感よりも感動を追及する
行動を変えることがゴールだとすれば、「説得」するのではなく「納得」させる必要があります。さらに、「共感」まで行けば関係者を巻き込むエネルギーまで生まれるでしょう。
そして、「感動」させるところまで行けば最高ですね。想定以上の成果や継続的な成果が期待できます。
5.アウトプットが出ないときはインプットやそれまでのプロセスを見直す
アウトプットが思うように出ないときは、「インプットの量や質が不足している」、「アウトプットにいたるまでにプロセスに抜けモレがある」こと原因であることが考えられます。
焦る気持ちはわかりますが、いったん立ち止まり、これらを確認し、必要に応じて対応することで、実はアウトプットの改善への近道になるんです。
以上となります。これらすべてを網羅するのは難しいかもしれませんが、1つでも参考にしていただけたら嬉しいです。