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ヒアリングの難しさ(事業DDを題材として)

2017-02-22 06:00:00 | 16期生のブログリレー

皆さま、どうもお疲れ様です。塚本洋美です。 

さて、「稼げる!プロコン育成塾(第16期)」も、ここまで7回の講義が終了し、残すところ、あと3回となりました。ここまで、書くスキル、話すスキル、診るスキルなど、様々なことを学んできましたが、塾生の皆さんにとって、一番何が難しかったでしょうか?

それぞれ得手不得手はあると思いますが、共通して言えることは「ヒアリングの難しさ」ではないでしょうか。今回は、私が通っているもう1つのマスターコースである「経営コンサルタント養成塾」を題材にして、このヒアリングについて述べてみたいと思います。 

経営コンサルタント養成塾(通称、経コン塾)は、第7期生の寺嶋先生が、「1人で、短期間に、質の高い事業デューデリジェンス(事業DD)を行うためのスキルを身につけるために開講したマスターコース」です。事業DDとは、再生企業を調査・分析して、その企業における事業のありのままの現状を把握し、今後のあり方を示した「事業調査報告書」を作成することをいいます。

経コン塾でも、最初の5回の講義で銀行対応や思考法、事業調査報告書の作成方法などの基礎を学び、第6回目の講義で、架空の企業を想定した「疑似事業DD」を行います。具体的には、寺嶋先生が、再生企業(架空)の社長になって、塾生が実際にヒアリングし、それに基づいて、事業調査報告書を作成することになります。ちょうど昨年の11月がこの時期に当り、苦労して作成したことを思い出します。ヒアリングは、時間的制約がありますので、事前にグループ分けを行い、役割分担を決めて行いました。ヒアリング項目など、事前にしっかりと予習して臨んだわけですが、実際にやってみると非常に難しかった印象があります。例えば、経営理念や経営ビジョンなどについて聞いても、「そのようなものはない」という答えが返ってきます。また、自分の仮説に対する思い込みが強すぎると、方向性が大きくずれ、全体を聞き出せず、偏ったヒアリングになることもあります。

前回の診断実習で行ったヒアリングとの違いは、事業DDの場合は、短期間で膨大な情報を聞き出さなければならないため、いかに効率的・効果的に情報収集を行うかがポイントになることです。 

ヒアリング力の向上が、事業調査報告書の品質向上のカギを握ることから、寺嶋先生は、「ヒアリング7ルール」という形で体系化されております。

【ヒアリング7ルール】

 ①コンサルタント主導でヒアリングを行う

 ②大(概要)から小(詳細)の順番でヒアリングする

 ③不明点はその場で即質問する

 ④ヒアリングシートであらかじめヒアリング項目を決めておく

 ⑤問題点と強みの発見と深堀りを行う

 ⑥目的を持ってヒアリングをする

 ⑦細かい業務フローの確認はフロー図を活用する

  詳細については、寺嶋先生の著書である「事業デューデリジェンスの実務入門」のp.4359をご参照願います。

しかし、上記の7つの事項が頭でわかっていても、いざ実践段階に入るとなかなか上手く行きません。

私は、大事な商談がある時は、必ずシミュレーションをしてから臨みます。例えば、仙台のお客様にお会いする場合は、行きの新幹線の中で、相手の出方に対する様々なバリエーションを検討しながら、想定問答を繰り返すようにしております。これをやるようになって、交渉術や対応力がうまくなったように感じます。しかし、同じ業界人とのやり取りが主体となりますので、あらかじめ質疑内容が予想しやすいということが言えます。今後、診断士として活躍していくためには、自分の知らない業界に対してもアプローチする必要性があり、このヒアリングスキルをいかに向上させることができるか、ということが課題になります。

私も、様々なタイプの社長や経営幹部と話しますが、後で振り返って、もっとこう言えばよかったと反省することが多々あります。このように、計画と反省を繰り返すことによって、ヒアリングのPDCAを回し、積み重ねるしか、スキルアップする方法はないのかも知れません。また、段々話していくと、熱くなってしまうタイプなので、冷静になる自分を常に意識してヒアリングするよう心掛けて行きたいです。 

最後に、事業DDに関心のある方は、是非、「経コン塾」への入塾をお勧めします。私の中小企業診断士としての目標は、「1社でも多くの中小企業を助けたい」「苦しんでいる中小企業の再生を実現したい」ということです。企業再生に関するノウハウや考え方を1年で獲得できるこのコースは、価値のあるマスターコースの一つであると自信をもって言えます。

なお、今期は「毎月第一日曜日」に開催しておりましたが、第2期は「毎月第二土曜日」に変更になりました。何か不明な点がありましたら、お気軽にお尋ねください。

コメント (2)
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