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前例や知識の制約にとらわれない

2015-11-10 21:09:17 | 15期生のブログリレー

15期生の川田です。

ブログ初挑戦です。
なので、コンサルタントとして活動していく上での抱負についてで行きたいと思います。


コンサルタントとして活動していく中で、意識して大切にしたいことの1つに柔軟性がある。
制約にとらわれない 柔軟な発想、創造力、クリエイティビティを身に着けたい、と思っている。

これまでの決して短くない社会人経験を振返ったとき、行き詰ったプロジェクト、難航する交渉ごと、予算やリソース制約の中での問題解決。
数々のシチュエーションで、「柔軟性」が成果を生み出す鍵であったことは少なくない。

社会の中では、知らず知らずのうちに、型として決まっていることは多い。
スポーツやゲームにおける定石、会社内や役所での手続規則や手順、会社経営における戦略フレームなどもそうかもしれない。
前例をベースにことが進んでいくことは多い。

手順や手続きが決まっていると便利で効率的なことも多いが、「前例主義」や「ルール・決まりごと」といったものは時に物事の効率や成果を損なうこともやはりある。

最近、webの質問サイトでこんなやりとりを見つけて、ふとある話しを思い出した。
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■そこでの質問:宇宙開発におけるロケットのサイズについて

私は、宇宙開発が子供の頃から好きな成人です。
ロケットのサイズに関しての疑問です。専門の方がいらっしゃいましたら、ご回答をぜひよろしくお願いします。

アポロの月面着陸が成功してから45年。その後、コンピュータ技術や、エネルギー効率など目覚しく発展しました。
例えば、CPUの速度は20年前と比べても、10MHzが3000MHzにとなり、300倍以上に、また、エネルギーはコンピュータの進歩ほどでは無いにしても、
車の燃費やパワーの向上は、それなりに進化しています。

それなのに、ロケットのサイズはどれも同じようなサイズです。何か理由はあるのでしょうか?
より大型化や、逆に思い切って縮小化はできないものでしょうか? 



■この問についての専門家からの回答:

「見た目や大きさではわからないかもしれないけれど、燃費や安定・安全性は格段と高性能化、進化しているのですよ」。


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ちょっと長くなるが、こんな話しがある。
時は遡って古代ローマ時代から。

ローマの主要な輸送手段であった荷馬車の大きさは、
古代ローマ時代に戦闘用の二輪馬車が残した道の轍(わだち)の幅に合うように作られた。
そのおおもとの二輪馬車は、二頭の大型馬が並んで進める幅に合うように作られた。

その後、ヨーロッパを支配した広大なローマ帝国を巡る道路はすべてこの基準をベースに作れた。
そして、ローマ帝国がイギリスに進行したとき、イギリスの道もやはりこの大きさを基準に作られた。

イギリスで初めて路面電車や電車が作られたとき、やはりその車幅は馬車と同じままであった。
さらに、イギリス人らがアメリカに渡って電車網を作った際、やはりその車幅を踏襲した。

時を進めて、宇宙開発の時代、
輸送システム、スペースシャトルの燃料ロケットは電車で輸送されたため、サイズはやはり同じ幅だった。
現代に至り、その後の宇宙ロケットのサイズも多かれ少なかれ同じ大きさのままで設計されている。
(引用:”Myths Busting” by Manal Maurice)



つまり、現代において最も先進的な輸送手段である宇宙ロケットの大きさは、2000年以上も前の輸送手段であった「二頭の馬」のサイズが基準として残ったままであるというのだ。

先の質問サイトで、ロケットのサイズが変わらないことに対しての専門家の回答はもちろん正しい。
ただ、後者の逸話こそ ここでの回答としてふさわしいのではないかと、わたしには思えるのです。つまり、単に従前の経験が制約となって踏襲されてきたということ。

そして不思議な感覚を覚えるのです。
当初、将来にわたって影響を与えることなど想像すらされていなかった出来事が、先々への制約として影響を与え続けるということに。

多かれ少なかれ、前例、或いはそれまでにあった知識・技術というものは、その先の制約となっていくものだ。
むしろ、時が経つにつれて 前例の制約はより強固なものとなり、そして最終的には変えることすら難しい制約となっていくものとも言えるかもしれない。

知らず知らずのうちに、さまざまな物事が、前例という制約の中でカタチ作られている。
お役所や会社内での手続、経営における定石、学校教育、etc.
先達の経験は当然その後の進化と発展のベースとなってはいるが、逆に将来の発展の妨げとなっていることはないだろうか。
もし「前例」という制約の囚われから解放されたとき、進化の在り方として、よりふさわしい選択肢の幅は格段に広がるのではないか。

コンサルティングとしてのコンテクストに戻すと、
クライアントのもつ悩みや課題に対しては ある程度 定石的な対処策が有効だと思う。ただ、それが目の前のクライアントにベスト・フィットするのかどうか。
前例を参考として尊重しつつも、それにとらわれない柔軟性も意識して大切にしていきたいと思うのです。

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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
疑問を持つ (富岡淳)
2015-11-11 09:43:51
川田さん、ブログ興味深く読みました。私も同じようなことをいつも考えます。前例に従うことはむしろ危険とすら思います。素直な性格も大事ですが、「なんで?」といつも疑問を感じて、いろいろな角度から考えてみる、そこから新たな発想を出していくことが必要と考えます。
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ブログ投稿ありがとうございます (大草)
2015-11-11 12:39:37
ブログを読んで思い返してみて、前例にとらわれたり、前例が制約になったりすることがあるなと思いました。
柔軟に考えようとすることが大事なのですね。
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頭をカラにして考える (鴨志田)
2015-11-13 16:17:14
ぜひ、お役所に勤務される方々にも読んでもらいたい内容ですね。
柔軟性…それは、豊富な経験、豊富な知識が必要だと思います。しかし、これらの経験や知識にとらわれず、クリエィティブに新しいことを生み出していくという意味で必要ではないかと思います。
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リスクテイクとのトレードオフ (佐野)
2015-11-13 17:34:07
「俺たちの払った血税を無駄に使うな!」といわれてしまうと、冒険的な使い方はできない。でも「失敗しても良いから、革新的にどんどん使って」といわれれば、どうだろうか。前例踏襲は、単にリスクを回避したいだけのこと。世の中全体が、リスクに寛容になればなるほど、新しいことが生み出し易い世の中になるのかもしれません。
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out of the box (鍛造TK)
2015-11-13 17:55:06
社内でも out of the box thinkingなんていいながら、brain stormingなどたまにやりますが、 そう簡単に案が出てくればout of the boxではありませんよね。 何か結果がでて、振り返ると そうだった という類だと思います。 最初にout of the boxではなくて。

そうった努力が無駄とい意味では 決してなくて、、、 前例に縛られない、これが一番いいのかな??と いう姿勢を持つこと自体が大事なのだろうと思ってます。 そう簡単に実現できなからこそ、ずっと言われ続けているのでしょうね。
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